2009.9.30

管理建築士講習

昨日は管理建築士講習を受けてきました。

管理建築士というのは、建築士事務所を総括する建築士のことで、大勢の建築士を抱える設計事務所においては、案件ごとにそれに応じた技量を判断して建築士を配置したり、事務所全体の技術的な面を統括する役割を担う仕事です。これが、私のようにたった一人の建築士で運営する事務所は、その一人が管理建築士ということになります。

講習の内容は、先日受けた建築士の定期講習と重複する部分も多かったのですが、事務所の経営やリスク管理といった部分もありました。

いろんな講習を受けて思うことは、例の耐震偽装の影響を受け、いかに不正が起こりにくいしシステムにするかということが重視され制度が改正されているという点です。

設計・監理・施工が三者独立して(利害関係のない状態で)それぞれが誠実に仕事をすれば、不正は発覚するという考えなのですが、大きな物件を扱う設計事務所やゼネコンなら話はわかりますが、私のような地域密着型の営業スタイルの会社は、これらの制度に当てはめるとものすごく違和感があります。

家を建てる時、お客様は何を基準に業者を選択するでしょう?

ホームページやモデルハウス見学、施工事例などの実績、経営者の考え方、会社の財務状態などなど、さまざまな情報を分析して決めることになるのでしょうが、実際のところ本当にそれらのことを理解することはなかなか難しいものです。

そこで、大きい会社・老舗だから間違いないだろるとか、値引きをたくさんしてくれたからという理由で決めてしまったりするものです。しかし、大手のメーカーでも破たんに追い込まれることは今やしょっちゅうですし、老舗とて同様です。安さを売りにしているところに至っては・・・・。

一方、私のようなスタイルで営業をしていると、お客様から依頼をいただくには、私という人間を知ってもらい信頼してもらうしかないのです。この人になら任せても大丈夫そうだと思ってもらわない限り、受注はないのです。

私にとって最大の強みは、自分ですべてをすることです。もちろん多くの業力業者さんの力を借りるのですが、先に述べた設計・監理・施工管理のみならず、営業・事務・経理、さらには宅建業として土地探し・売買まで、すべてするということです。つまり、家づくりに関することから住み方暮らし方、その後のメンテナンスも含めトータルでサポートしているという点です。しかもその情報はすべて一元管理できているのです。

話は長くなりますが、戦前の日本社会において、ハウスメーカーもパワービルダーも建売住宅もありませんでした。家を建てるといえば、町の棟梁に相談して、棟梁が町の職人を束ねて家づくりにあたってきました。そうして建った家は、100年以上も大切に使われていました。そう、さっき言ったような大きな会社や老舗もなければ安売りするものもおらず、ただ、地域の職人さんたちが自分の仕事を誇り高く継承してきたわけです。

戦後の混乱期、圧倒的に住宅が不足していた時代に、ハウスメーカーや建売が登場し台頭していく過程で、地域の職人たちが疲弊して行きました。いまやよい腕を持った職人でさえ仕事に事欠くような時代になりました。

しかし、何百年というスパンでみると、この50年ほどの間が、異常だったので、元の姿に戻るのではないかとも考えられます。つまり、地域の棟梁と職人による家づくりが必要となるのではないかと私は考えているのです。

私のビジネススタイルは、”現代の棟梁”です。昔は大工の棟梁が家づくりを統括していましたが、今では分業化が進み、技術の発展も目覚ましく、一職方となった大工さんにそれを求めることはできません。それに代わって、様々な職種・施工方法・材料などに精通し、お客様の多様なニーズを理解し、それを地域の職人の技量にあてはめていくという働きをしようとしているのです。このスタイルは、京都府から「知恵の経営」として認証を受けています。建設業でこういった認証を受けている例は他にはありません。

ところが、一連の法改正は私のようなビジネススタイルをまるっきり否定してしまいます。

たとえば、私は家を建てるというごとをしているのですが、そのために、宅地建物取引業、建築士事務所、建設業という3つの”業”を営むことになります。ところが、そのそれぞれの”業”について、専任の取引主任者、専任の管理建築士、主任技術者の常駐が求められます。つまり、厳格に法律を適用すれば、一人では一業種しか営めないということになってしまうのです。

お医者さんでいえば、田舎の開業医は昔からどんな病気でも見てくれるか”かりつけ医”でした。それが、大病院のように、内科・外科・レントゲン科・消化器科などと細かくわかれて専門医・技師を置かないといけませんというっているようなものです。

制度の趣旨はわかるのですが、現実の地域社会をみて、また昔から続いてきた日本ならではのコミュニティーという視点でも考え直してほしいものです。

政権交代で何かが変わるのでしょうか??

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