平成19年4月28日発行

大地震の恐怖・・・

 最近日本だけでなく世界中で大地震のニュースが流れています。長い間地震に見舞われたことがないような地域でも、決して安心できないということがよくわかります。
 地震の多い日本でも、千年の都京都は、大地震の記録もないから安心だなんて思っていませんか?今回は、木造建物の耐震性能について、少し勉強してみましょう。


 そもそも、建物の耐震性などを規定している建築基準法は、大きな地震の被害を受けるたびに改訂され今日に至っています。
 建物の強度を表す基準として用いられる壁の量で比較してみると、制定時の昭和25年を100とすると、昭和35年に125、昭和54年に175に改訂されています。特に昭和54年から新耐震基準が導入され、従来の1.4倍の強度が求められるようになりました。
  さらに、平成12年(わずか7年前です)に金物補強、鉄筋量などの細かな基準が法制化されたばかりですから、ほんの数年の間に、日本の住宅の耐震性能は各段に上がったといえます。逆に言えば、最新の耐震技術から見れば、わずか7年前の住宅でさえ、100%とは言えず、28年以上前の建物にいたっては、50%程度の強度と判断せざるを得ません。  実際に30年位前の建物を耐震診断してみると、いわゆる耐震等級1(100年に一度の地震に対して倒壊せず、数十年に一度の地震に対して損傷しない)に対して、50%以下の強度となり、倒壊する危険性が高いという評価を受けてしまいます。
  ただ、この評価には、柱のホゾの長さ、梁の太さ、継手・仕口の強度などは、全く反映されておらず、壁下地や塗壁の強度もわずかに考慮しているに過ぎず、いわゆる建売住宅並の構造を対象に計算されたものだと考えられますので、耐震性評価の数字だけで判断できるものではないと、私は思います。
  要するに、木造だから心配で鉄骨だから安心というのではなく、昭和54年以前に建てた建物は一律に注意が必要だということです。


  さて、倒壊の危険性が高いといわれたらどうしましょう?やっぱり耐震補強をした方がいいでしょうね。では、どのようにして耐震補強をするのか簡単にご説明しましょう。

 はじめに、現状の建物の精密診断を行ないます。一般に行なわれる簡易診断ではなく、細かな点まで調べることで、どこを補強すればいいのかが判断できます。


  次に補強工事です。古い建物の場合、先に述べたように壁(耐力壁)の量が足りません。ですから、新たに壁を設けたり、今すじかいが入っていない壁にすじかいを入れたりして、耐力壁を増やします。 また、金物が付いていませんので、すじかいや柱と梁の接合部などを金物で補強します。特に大切なのは、基礎と土台・柱の接合部で、大地震で倒壊した建物の多くは、柱が引き抜かれて基礎から外れてしまっています。これを防ぐために、ホールダウン金物等で基礎と木造部分をしっかりとつなぎます。
 基礎そのものの鉄筋も少なかったり入っていない場合がありますので、鉄筋コンクリートの梁を打ち添えて補強することもあります。
あるいは、荷重を軽くするために、屋根を瓦から軽量の瓦やカラーベストなどに葺きかえることも有効です。  
  一番厄介なことは地盤の補強です。田んぼや畑を宅地に転用している場合は注意が必要です。基礎の下に穴を掘って改良をしたり、建物全体を持ち上げて基礎を作り直すことも技術的には可能ですが、相当な費用がかかります。

 そのほか、当社の場合、学校などの公共施設の耐震改修・外壁改修もしていますので、モルタル壁の剥離防止措置や、クラック補修などにも対応しています。


  耐震補強は上記のような内容ですが、これに伴い、床・壁・天井を一旦はずして復旧するという工事が必要になります。かなり大規模な工事になりますので、場合によっては引越し・仮住まいが必要になります。工事費用は内容によりますが、100〜300万円くらいが目安です。外壁や屋根のリフォームと同時にするのがお得だと思います。


 一方、新築する場合の耐震性能はどうでしょうか。品確法でいう耐震等級3(前述の耐震等級1の1.5倍の強度)をクリアするためには、構造用合板などの新建材に頼らざるを得ないという実情があります。建材メーカーが親会社であるハウスメーカーは、こぞって自社の建材の性能をアピールして、あたかも安心な家であるかのごとく説明していますが、私はこのことにむしろ危険を感じます。
 
 合板の耐用年数は何年でしょうか?20年くらい経ったお家はどこの家でも台所や廊下の床材がフワフワになってきて張替えが必要になります。これは、フローリングの合板が劣化したために起こる現象です。
  床下は確かに湿気も多く、過酷な環境であることには違いありませんが、直射日光を受け、風雨にさらされ、内部結露にさらされる外壁は、それにも増してはるかに厳しい条件だといえます。そんな条件のもとにある合板が、何十年にもわたって建物を支え続けられるとは到底考えられません。
  長く使う家だから、長い目で見た耐震性能を見極めなければいけません。 何百万円もかけて耐震改修をするのか、思い切って建替えるのか、それぞれの家庭の事情によってどちらが有利なのが違ってきます。いずれにしても大切な家族の安全を守るために、人生設計の中に入れておかなければならない大きな出費であることは間違いありません。






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株式会社タイセイ

代表取締役 小川 哲史



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