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住宅版エコポイント、間もなく受付開始

世間で話題の”住宅版エコポイント”がいよいよスタートします。3月8日から受け付け開始となります。

エコポイントを受けるための条件や、その申請方法について情報が錯綜していたのですが、どうなることやら。

新築の場合、いろいろなケースがありますが、温熱環境性能の評価をうけて認定を受けるのが余計な仕事(費用)が少なくて済みそうな感じです。当社では温熱環境性能を計算するプログラムを導入しているので、Q値μ値を計算することができますが、その根拠となる材料の性能について、いわゆる”認定”を受けたものかどうかが問題になる可能性があります。

たとえば、当社が外張断熱で使用するウレタンフォームに関して言えば、国内のメーカーは大手2社がほとんどのシェアを持っているので、当然その性能も一般的に認定され、屋根・壁に用いる厚みの標準値が規定されています。ですから、その規定どおりの厚みのものを使用すればOKということになります。

ところが、当社は遮熱シートを用いることもよくあります。遮熱シートは、メーカーの実験データによれば、わずかな厚みでありながら発泡ウレタンと同等の熱抵抗値を実現していますが、いわゆる”断熱材”ではありません。これをどのように評価してくれるのか注目しています。

ちょうど遮熱シートとウレタンを併用している現場があるので、その内容で温熱環境性能を計算し、エコポイント住宅証明書の申請をしてみました。どんな回答がくるのか期待しています。

ややこしい話ですが、このようなことはいろんな場面で起こります。たとえば木造在来工法の土壁についても、かつては耐力壁として認められませんでしたが、数年間にわたって実験を繰り返し、やっと耐力壁としての性能を評価することができるようになりました。

当社がよく使う杉の長尺厚板フローリングは、長さ4m厚み30mmの杉板を本実加工していますので、床梁に直接張りつけることで床の剛性が高まります。ところが、現行の性能評価基準の中に、このような仕様が規定されておらず、床剛性はゼロと評価されてしまうのです。こうなると、長期優良住宅が求めている耐震性能2にすることが、極めて困難になってしまいます。構造用合板を用いれば、簡単に評価が上がるのですが、合板の耐久性を考えると、「本当に”長期”優良なのか!?」と叫びたくなります。

五重塔のような建物を現在の法律のもとで木造で新築することは不可能ですが、現実に1300年も残っている建物があるわけで、耐震性能は歴史が証明しているのですが、それを力学的に証明したり実験で確認することができないので、既存不適格な建物ということになります。

それだけ木造の建築は奥が深いということでしょうか。目先の数万円のエコポイントに気をとられて、大切な家の本質を見誤らないようにしなくてはいけません。