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奈良

法隆寺へ

この間「木のいのち木のこころ(天地人)」という本を読みました。

宮大工棟梁として有名な西岡常一さんの本です。以前からいろいろ話には聞いていたのですが、じっくり腰を据えて西岡さんの本を読む機会がこれまでありませんでした。今回も正月に読もうと思って買っていたものをようやく読み終えたところです。

いつもななめ読みすることが多いのですが、この本はじっくりと読みたかったので時間もかかりました。

西岡棟梁の話からは、法隆寺を通して飛鳥の時代から伝わる技術というよりも、信仰の心とか人生哲学みたいなものを感じます。私自身がこれまでの人生の中で感じてきたことと通じるところもあり、なんだか励まされているようにさえ感じました。最後の棟梁と言われた西岡氏ですが、その弟子・孫弟子という方々一人一人がその後継者となり、ちゃんと次の世代へ思いがつながれているようです。それは、特定の企業や行政がどうというのではなくて、結局一人一人の心なんだと思います。それも特別立派な志というものではなく、普通の若者が普通に仕事をしていく中で、だんだん感じ取っていくものだと思います。

なんて考えながら、たまたま修学旅行で立ち寄った若者に、「俺もこんなものを作りたい」と思わせたという法隆寺の五重塔をこの目で見たくなって早速出かけました。

五重塔はあちこちで何度も見ていますが、1300年前に建てられたんだというだけで、気が遠くなるような感じです。しかもいまだにまっすぐに立ち、美しい姿を見せているわけですから、すごいとしか言いようがありません。いつまでも見ていたくなるような美しさです。