設計事務所
塗壁の割れ
自然素材の塗壁はどうしても割れることがあります。多くの材料は割れないように樹脂でかためられていますが、当社で使う材料は、割れてもいいから体にやさしいものというスタンスで選んでいます。とはいえ、割れない方がいいのですが。
尖山ショールームは、高千穂の薩摩中霧島壁を多く使っています。この材料は、火山灰を骨材にしており、乾燥による収縮がほとんどないため割れにくいと言われています。石膏ボードの下地をしっかりと作ればほとんど割れることはありません。
当社では、尖山で初めて採用したのですが、当時開口部の補強や下地補強の必要な部位にはラワンベニヤを使用していました。実はこれがくせ者で、ベニヤの伸縮が意外と大きいのです。耐火ボードで下地を作ったところはほとんど割れがないのですが、補強にベニヤを入れているところは、ほぼすべて割れが出てきました。竣工後すぐに割れが出てきましたので、原因が下地にありと判断し、それ以後の現場では、下地表面には合板が出ないように施工しており、お客様のお宅では大きな割れが起こってはいません。
4月で丸5年を迎えますが、構造材のあばれによると思われるものも出てきました。
写真はおそらく柱の背割れの開きと梁のねじれの影響だと思われます。この部分は耐火ボードの下地だったはずですが、去年の暮にクラックに気付きました。
大きな壁面に塗壁材を使用する際は、ある程度の割れは許容しなければいけないということを、お客様にご理解いただかなければ使えません。