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健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」

薬師寺で写経を体験

昨日は銀行関係の集まりで、薬師寺に行きました。

約一時間をかけて写経を行いました。私は初めての体験でしたが、恥ずかしながら墨をするのも小学校低学年以来というありさまで、筆てどうやって持つのかな?と思いながら、とても味のある文字を書いてきました。

そういえば、おくりびとのオスカー受賞の報道でもっくんが毛筆で書いた手紙が紹介されたのを見て、書道を勉強しようと思い立ち、通信教育の申込書をとりよせたものの、そのまま書斎の隅に置いています。そろそろはじめなくては・・・

写経の後、薬師寺の村上執事長さんの講演を聴き、玄奘三蔵院伽藍の見学をしました。伽藍の中に大唐西域壁画殿というところがあり、三蔵法師が旅をしていった様子を平山郁夫画伯が描いた壁画・天井画を見せていただきました。平山画伯の絵は1号サイズ(ハガキ大)で100万円の値がつくのだそうですが、壁・天井一面に描かれた壮大な絵はすべて平山氏の寄付だそうです。昨日は団体で見たのですが、機会があればもう一度ゆっくり見てみたいと思います。ちなみに一般公開は春と秋だけだそうです。

執事長のお話によると、これからの世の中、文化力を高めていかなければいけません。日本は戦後復興のため経済に偏った発展を遂げましたが、一方で奈良や京都などをはじめ、1000年以上も前の文化遺産がたくさん残っています。何十億円も使って箱モノを作らなくても、多くの文化遺産を活用すれば、日本が独自に発展させてきた文化を学ぶことも可能です。まず自国の文化を理解し大切に思うことで、国際社会で堂々と活躍できる真の国際人となれるのでしょう。

私が携わる住宅づくりも、建築学や構造力学などというよりもむしろ文化人類学という範疇のものでもあります。いわゆる民家ということばはその象徴です。ヨーロッパの街並みが、古くからの伝統を守って美しい姿を残していますが、日本では戦後復興とともに象徴的な田園風景、こいのぼりの歌に出てくる”甍(いらか)の波”はどんどん消えてゆきました。経済成長の中人口が急増し、家を大量に供給しなければ国民が文化的な生活ができないという時代は終わった今、家づくりも大きく舵を切らなければならないのかもしれません。