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健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」

床座のススメ

日本人のライフスタイルの変化は結構激しいのでしょうか。

私たちの子供のころの家では、サザエさんやちびまるこちゃんのように、畳の居間がだんらんの中心でありました。それが、椅子座となって、ダイニングテーブルで食事をとって、リビングのソファーでくつろぐというのがスタンダードになっていました。核家族で親子4人くらいならば、このようなレイアウトは簡単なのですが、両親の同居や子だくさんの家族だとソファーやダイニングテーブルには座りきれないということが起こります。逆に人数分のソファーを置こうと思うと、とんでもなく広いスペースが必要になります。

以前にも書きましたが、現在の家づくりで大きなポイントとなるのは、小さくつくって大きく使うということです。高気密高断熱化によって性能が向上し、全館空調がスタンダードとなった今、家の容積を大きくすることはすなわち空調費をあげることになり、必要最小限の空間にしておくのが賢い選択といえます。また、高性能な家であれば、廊下としていたスペースを部屋に取り込むことができるので、従来の間取りに比べて10~20%も小さくて済みますから、住宅の小型化は加速されるのです。

一方、床座で育った私たちの世代は、ソファーの上で横になったり、椅子の上にあぐらをかいたり、結局椅子座には慣れていないという実情があります。

そんな中、再び”床座”が流行しています。しかも、畳ではなく板張りの床です。

無垢の床材などは肌触りも良く、じかに座ることに抵抗がないのです。焼鳥屋さんの小上がりなどはたいがい板間の掘りごたつになっていますが、そんな感じで掘りごたつにすることもあります。しかし、人数の変化に対するフレキシブルさを考えると、掘りごたつは進められません。板間にローテーブル、地べたに座りにくいお年寄りには、ちょこっと高さのある座椅子を用意するとよいでしょう。最近の気の効いた料理屋さんには置いているやつです。

そういえば、先日友人と大阪の中心部の居酒屋で飲む機会がありましたが、そこでは板間の床座に高さ20cmくらいの座椅子が置いてありました。

数年前から、ドアに代わって引き戸が復権してきたように、日本ならではのライフスタイルの素晴らしい点が、また一つ地位を確保してきているようです。