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健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」

上棟式

先日木津川市の現場が無事に上棟を終えました。

写真は、御幣(ごへい)といい、京都ではこのような形に飾ります。

さて、「上棟式ってどうすればいいの?」という方も多いはず。何度も経験する人は少ないですからね。

私が仕事をしている京都南部エリアは、古い風習が残っていいるところも多いので、十年余り前までは、結構派手にドンチャン騒ぎをしていました。ご近所や親戚が集まって、時には鏡開きをしたり、今の時期なら松茸のすき焼きがでたり、大宴会をしていました。

そもそも、40年くらい前なら、レッカーもそれほど普及しておらず、棟上げというと、本当にご近所の方が手伝いに来て、材料を運んだりしていたそうです。また、家を建てること自体、3世代に1回くらいなので、本当に地域の人のお祭りのような感じだったようです。

一方大工さんにとっても、棟上げというのは特別なもので、多くの職人さんの協力のもと、無事に上棟までこぎつけられたといういみで、職人さんをねぎらう場でもあります。職人さんの中には、棟上げの宴会を楽しみに仕事を頑張っているというくらいの人もいました。

それから、だんだんと簡素化されてきましたが、それでも一生に一度のことですから、存分に喜びを分かち合いたいという施主様が根強く残っていました。

状況が一変したのは、数年前の飲酒規制の強化です。

それ以前も当然飲酒運転はいけないことだったのですが、基準が厳しくなったことで、コップ1杯でもアウトということになります。

これをきっかけに、私の場合は上棟のときの飲食を一切しなくなりました。

現在では、写真のような御幣を飾り、お神酒・洗い米・塩を用意し、上棟式のみ簡単に執り行います。宴会はなしです。

おもてなしがない代わりに、御祝儀を少しだけご用意いただくようにお願いしています。大工さんの楽しみですから。