石持ち一文字
軒先の瓦にはいろいろな種類があります。
写真は「石持ち一文字」と呼ばれる形です。
よくある「万十」によく似ていますが微妙に違います。
まず丸い部分が、万十の場合こんもりと盛り上がっていますが、石持ちはまったいらで、角が面取りされていません。
地瓦も、「切落し」といって、面取りしていないものが使われています。
それともう一つ、瓦の下端がまっすぐに通っています。(古い瓦なのでそれほどまっすぐではないですが・・・)
万十だと上面と同じようなカーブになりますが、これはまっすぐなので一文字ということになります。
一般の方はご存じないかと思いますが、瓦は形があるだけでなく、大きさもいろいろあります。
1坪当たりの枚数が53枚だと53(ゴ・サン)という風に表現するのですが、56・60などいろいろなサイズがあります。
現在ではJIS規格の53Aというサイズにほぼ統一されています。
もちろん修理のために、いろいろなサイズの瓦が今でもつくられていますが、古いものと混ぜて使うのは意外と難しいことなのです。