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健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」

輻射冷房

 

 

 

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輻射(ふくしゃ)冷房という言葉、きかれたことはありますか?写真の白いルーバー状のものがそれです。

 

熱の伝わり方には3種類あります。伝導・対流と輻射(ふくしゃ、放射ともいう)です。

洞窟の中でたき火をしているとします。火に鉄瓶をかけると直接火に触れている鉄の部分が熱くなり、やがて鉄瓶の取手も含め全体が熱くなります。これが伝導。

鉄瓶の中の水は、直接鉄に触れている部分が伝導によって温まりますが、温まった水は比重が軽くなって上の方に上がり、冷たい水が下に下がります。そこでまた温められて上に上がり、冷たい部分が下がってきてという繰り返しをするうちに、水がお湯になっていきます。これが対流です。

鉄瓶の水と同じように、洞窟の中の空気も、火に触れた部分が温まり対流を繰り返すことで、だんだん暖かくなります。

火に手をかざすと暖かさを感じます。これが輻射熱です。輻射熱は、空気を暖めるのではなく、直接手や顔を暖めます。

対流によって洞窟全体が温まるにはかなりの時間を要しますが、輻射によって体を直接温めれば、気温が低くても暖かく感じます。

 

一般的な暖房であるエアコンは対流で温めます。エアコンはヒートポンプで空気を暖め、暖かくなった空気を吹き出します。温めらてた空気は対流を繰り返しながら、やがて部屋全体を暖めることができます。エアコンの特長はヒートポンプという大変効率の良いシステムで熱を作り出すので、同じ熱量を得るのに必要なエネルギーの消費が少ないとされています。

輻射暖房は、床暖房やパネルラジエータ―・薪ストーブなどが代表的です。床面が温かいと触れている足は伝導で暖まりますが、それだけではなく、床面から放出される熱が、直接体を温めます。先程のたき火と同じ理屈です。輻射暖房の特長は、直接体を温めるので、室温が低くても暖かく感じられることです。

高気密高断熱住宅においては、輻射暖房を使うことで、とても快適な室内環境をつくることができますので、そよかぜの家でも積極的に採用してきました。けれども冷房に関しては、輻射冷房システムは存在したものの、とても高額で住宅に導入できるようなものではなく、エアコンを上手に使う工夫をして、快適な空間を維持してきました。輻射冷房を導入することができたら、さらに快適になるはず・・・

 

夏のイベントなどで、会場の中に大きな氷の塊を置いていることがありますが、氷に近づくとひんやりしますよね。これは氷からの冷輻射です。

ご覧のパイプラジエーターに冷水を通すことで、氷の塊のように家全体を冷やすことができます。これが輻射冷房です。

冷たい水が流れると、ごらんのように結露が起こります。パイプがびっしょりと濡れてしまいますが、この水滴を集めて外に排出するようなシステムになっており、お部屋の中の湿度をグーンと下げることができます。

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湿度を下げれば体感温度は下がるので、27℃前後で涼しく過ごせます。

おまけに、エアコンのようにフィルター掃除をする必要がありませんし、音もしません。さらにさらに、ヒートポンプを使うので、ランニングコストはエアコン並、高額だったイニシャルコストも導入可能なレベルになっています。

もうあなたの家にも入れたくなったでしょう(笑)