
健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」
築60年の土蔵を解体
ご覧の写真は、”蔵”の解体の様子です。いわゆる本蔵ではありませんんが、それでもしっかり土は塗ってありました。
昔なら、土も新しいものと混ぜてもう一度使うのでしょうが、今回は処分しました。それでも、写真でも見えている小屋梁は再利用することにしました。
新しい建物にも、化粧針として使います。
60年経った今でも、少しも傷んだ様子はありませんので、そのままの木肌を見せて使います。
これは何でしょう?
実は、解体した建物に使われていた込栓です。樫の木でつくられていますが、先の方は壁土の中に埋まっていたので汚れていますが、木に刺さっていた部分は、つくったときのままです。
あまりにきれいだったので、記念にとっておきました。
商工会連合会の会報に
今般発行された京都府商工会連合会の会報に、「知恵の経営」の認証を受けた企業として紹介されました。
さっそく知り合いから見たでという電話もいただきました。
けれどもこの冊子、一般の消費者の手元にはあまり届かないでしょうから、あまり営業上のプラスにはならないでしょうね。
これとは別に、さる25日に、京都府が主催する「知恵の経営」認証企業が参加する、報告・交流会というのが催されたのですが、年度末ということもあり、参加することができませんでした。これまた営業につながらないですね。
それでも、京都府の認証を受けているということは、新規で仕事を依頼しようかというお客さまにとっては安心材料の一つであり、記事にも書いてあります通り、苦労して申請した甲斐はあったとは思います。
ちなみに、この冊子をたくさんいただきましたので、読みたいという方はご一報ください。
エコポイント住宅と遮熱シート
先だって遮熱シートを使った物件でエコポイント住宅の申請をしたのですが、どうやら遮熱シートの取り扱いが難しいようです。
予想していた通りですが、残念です。断熱材でないのでダメということのようです。
メーカーの評価値は輸入品なので信頼できないということもあるとのこと。
まあ、壁やサッシなどの断熱性が高いので、天井にグラスウールを少し入れれば基準値はクリアできるので、今回はそのような対応をしようと思います。それにしても、ウチの仕様より性能が低いはずのものがウチより高く評価されていることは釈然としません。
少し期待していただけに・・・
ところで、当社のようにこだわりをもった断熱・気密の工法をとるところは多くありません。一般の分譲住宅などエコポイント対応をうたっているところの方法をご紹介しましょう。
多くの場合グラスウール100mmを使っています。
この場合、わずか105mmあるいは120mmの空間に100mmのグラスウールが詰め込まれることになります。
今から10年ほど前は、住宅金融公庫が高耐久仕様の住宅について割増融資をする制度を導入し、その高耐久仕様のなかに、新省エネルギー基準が盛り込まれました。そして、高気密・高断熱化によって、住宅の省エネ化を図ろうというのが政府のもくろみでした。しかしそこには落とし穴がありました。断熱材を壁圧いっぱいに充填し結露対策を怠っていたことと、換気計画を伴っていなかったことです。その結果シックハウスが顕在化することになりました。
その後、シックハウスを防ぐために法改正が行われ、使用する建材に対する規制と共に24時間機械による換気が義務付けられました。
それから数年たった今、”高気密”という言葉に対するアレルギー的な反応は根強く、ついに気密性を求められなくなりました。「自然素材だから換気なんて必要ない」「魔法の壁材を使うから有害物質は分解できます」などということを言って、消費者を洗脳するような方もおられます。
「エコポイント住宅だから」、「長期優良住宅だから」大丈夫と思っていませんか?もっと多くの方に気密性能・結露対策の重要性を知ってもらいたい。
詳しく知りたい方は当社の尖山ショールームへおいでください。健康住宅についてじっくりご説明します。
気密測定
北白川の現場で気密測定を行いました。
よく、最近の家は気密性が高くなったために機械による換気が必要になったんだという意味のことをおっしゃる方がおられますが、少しポイントがずれています。
そもそも、戦前くらいまでの日本(京都近辺)の家は、吉田兼好よろしく”夏をもって旨とすべし”として建ててこられました。
私が幼いころ住んでいた家も、夏はというと、南北面の建具はほとんど解放され、家の内部の間仕切りも取り外されまたは葦戸に取り換えられて、蚊帳をつって寝ていたものです。
でも冬は、火鉢が常に置かれていて、練炭や豆炭が点いていましたが、これでも一酸化炭素中毒にはなりませんでした。部屋を暖めるという感覚がなく、火にあたって暖をとるという感じでした。
さらに、季節の変わり目には畳をあげて大掃除をし、床下の湿気を開放していました。
そんな暮らしをしていたなら、計画換気は必要ないでしょうが、昨今の住宅の間取りや冷暖房で部屋を暖めるという生活様式では、ちょっと具合が悪いのです。十数年前から出てきたシックハウスは、建材などから出る有害物質が原因というだけではなく、換気不足とそれによる結露が一因であることは明らかです。
そんなことは百も承知のはずなのに、のど元過ぎれば熱さを忘れるというのか、ここ数年住宅業界において換気についての意識が薄れてきています。同時に気密に関しては触れないでおこうというような感じさえします。
多くのメーカーの換気システムは第三種換気といわれる方式ですので、ある程度の気密性能がなければ、計画換気として成り立たないのです。つまり、高い気密性は必要不可欠です。
まあ、換気の話をしだすと長くなるので、このくらいでやめときます。
興味のある方は、「換気って深いんだぁ~」という小冊子を差し上げますので、メールください。
というわけで、当社では高い気密性能を確実にするため、全棟で気密測定を行っています。
ご覧のような大きなファンとコンピュータを接続し、圧力の変化を測定することで、隙間相当面積を推測します。
今回の結果はc=0.6cm2/m2
まずまずの数字です。
模型写真
こちらは今度宇治田原町で建てる物件の模型です。
写真でご紹介します。
60坪近くある大きなお家です。50分の1だと結構な大きさです。
土地柄、オーソドックスな外観を求められました。
庭で撮影したので、実際の日の当たり具合がよくわかります。
屋根をとりはずしたところ。まん中に大きな吹抜けがあり、そこに面して階段があります。この辺はそよかぜの家が得意なところ。
大きな吹抜けがあっても、水平剛性もきちんと検討しますので、長期優良住宅にも適合します。
分解模型をつくると、2階と1階の壁の位置の整合性もよくわかります。
さらに2階をはずしたところ。大きなLDKですが、階段室の北側は採光があまり取れていません。
お客様のご希望によってこのような形になりましたが、図面の段階でも再三説明はしていましたが、これでさらに念押しです。
なるべく間仕切りを減らすご提案をしたのですが、決めるのはあくまでお客様です。だからこそ、模型などで確認していただくことが重要です。
薪ストーブでローストビーフ
先週末の薪ストーブイベントに合わせ、ご近所の方と一緒にピザパーティーを開きました。
あいにく私は参加できず、妻がストーブの操作をしたのですが、たいそうおいしくできたそうです。
私は、今回はさらにグレードアップして、ローストビーフに挑戦しました。
ローストビーフは、キャンプやバーベキューのときに何度かつくったことがありましたが、いつもの大きなダッチオーブンだと、ストーブの中に入れるのが大変なので、ロッジのサービングポットという小さなものを使いました。
お肉は1kgの塊を3分の1位切り落としてちょうど入りました。
ストーブに入れおよそ30分で出来上がり。上々の出来でした。
ちょっと失敗だったのは、ダッチオーブンの上に火を置かなかったので、火の通りが若干わるく、時間がかかってしまいました。
次はもっと上手にできるでしょう。
今シーズン最後か!薪ストーブを体験しよう!!ピザ・焼き芋・・・
ずいぶん暖かくなってしまいました。
本来ならば暖かいのはうれしいのですが、薪ストーブクッキングを覚えた私にとってはちょっぴりさびしいのです。
そこで、今シーズンのラストを飾るイベントを開催しようかと思い立ちました。
今週末尖山ショールームへお越しください!!
ピザ・焼き芋・焼きじゃがなどをご用意してお待ちしています。
「ストーブのある家に住みたい!」とお考えの方も、そんなの考えたこともない方も、この機会にご覧ください。
日 3月6日(土)、7日(日)
時 10:00~15:00
場所 尖山ショールーム
☆必ずご予約ください(当日も可、ただし売り切れ御免)
ご予約はこちらへbreeze@soyokazenoie.com
住所・氏名・連絡先電話番号(携帯可)・参加人数・参加日時を明記してください
当日電話でという方はこちらへ0774-86-4962(私の携帯につながります)
仏壇を置く場所
住宅を設計するときに必ず考えることになる仏壇。
私のところは田舎なので、大きな仏壇を置かれるお宅が今まではほとんどですが、いまどきの仏壇事情は変わってきています。
私自身、子供を小さいときになくしており、実家にある先祖の仏壇とは別に、子供の位牌のはいった仏壇を自宅においているのですが、家族がいつも集まるダイニングテーブルのすぐ横に、小さなものを置いています。写真なども一緒に並べ、ちょっとしたメモリアルコーナーという感じにしています。
法事などで大勢でお参りしてもらうことがある場合を想定すると、和室に仏間を設けることがやはり多いのですが、冠婚葬祭がどんどん簡素化されてきたのに伴い、仏壇のあり方も変わってきているのです。
これはユニット仏壇と呼ばれるものです。ユニットバスなんかのイメージとよく似ています。
リビングなどの壁面収納の中にこのユニットをはめ込むのだそうです。
価格は10万円台からあるみたいです。(写真のものは30万以上します)
住宅版エコポイント、間もなく受付開始
世間で話題の”住宅版エコポイント”がいよいよスタートします。3月8日から受け付け開始となります。
エコポイントを受けるための条件や、その申請方法について情報が錯綜していたのですが、どうなることやら。
新築の場合、いろいろなケースがありますが、温熱環境性能の評価をうけて認定を受けるのが余計な仕事(費用)が少なくて済みそうな感じです。当社では温熱環境性能を計算するプログラムを導入しているので、Q値μ値を計算することができますが、その根拠となる材料の性能について、いわゆる”認定”を受けたものかどうかが問題になる可能性があります。
たとえば、当社が外張断熱で使用するウレタンフォームに関して言えば、国内のメーカーは大手2社がほとんどのシェアを持っているので、当然その性能も一般的に認定され、屋根・壁に用いる厚みの標準値が規定されています。ですから、その規定どおりの厚みのものを使用すればOKということになります。
ところが、当社は遮熱シートを用いることもよくあります。遮熱シートは、メーカーの実験データによれば、わずかな厚みでありながら発泡ウレタンと同等の熱抵抗値を実現していますが、いわゆる”断熱材”ではありません。これをどのように評価してくれるのか注目しています。
ちょうど遮熱シートとウレタンを併用している現場があるので、その内容で温熱環境性能を計算し、エコポイント住宅証明書の申請をしてみました。どんな回答がくるのか期待しています。
ややこしい話ですが、このようなことはいろんな場面で起こります。たとえば木造在来工法の土壁についても、かつては耐力壁として認められませんでしたが、数年間にわたって実験を繰り返し、やっと耐力壁としての性能を評価することができるようになりました。
当社がよく使う杉の長尺厚板フローリングは、長さ4m厚み30mmの杉板を本実加工していますので、床梁に直接張りつけることで床の剛性が高まります。ところが、現行の性能評価基準の中に、このような仕様が規定されておらず、床剛性はゼロと評価されてしまうのです。こうなると、長期優良住宅が求めている耐震性能2にすることが、極めて困難になってしまいます。構造用合板を用いれば、簡単に評価が上がるのですが、合板の耐久性を考えると、「本当に”長期”優良なのか!?」と叫びたくなります。
五重塔のような建物を現在の法律のもとで木造で新築することは不可能ですが、現実に1300年も残っている建物があるわけで、耐震性能は歴史が証明しているのですが、それを力学的に証明したり実験で確認することができないので、既存不適格な建物ということになります。
それだけ木造の建築は奥が深いということでしょうか。目先の数万円のエコポイントに気をとられて、大切な家の本質を見誤らないようにしなくてはいけません。
エコジョーズとヒートポンプが合体したハイブリッド給湯器
リンナイがおもしろいものをつくりました。
空気の熱を使ってお湯を沸かすヒートポンプシステムといえば、電気式のエコキュートがありました。
エコキュートは、電気温水器の1/3の電気代でお湯を沸かすことができるので、最近シェアを伸ばしています。しかし、ガスに比べて給湯量が不足するので、温水床暖房などをたくさん使うには無理がありました。
ですから私は広めのおうちではオール電化ではなくガスの給湯暖房システムを採用していました。
このハイブリッド型給湯器は、少量のお湯が必要な時はヒートポンプを動かし、お風呂などで大量にお湯を使うときは、ヒートポンプとエコジョーズを併用、さらに高温のお湯が必要な暖房時にはエコジョーズを使うというふうに、用途に応じて給湯方法を自動制御するのだそうです。
すごいシステムだなと感心しますが、ちょっと疑問が・・・。
ガスや電気の料金はどうなるのか??
電気代は、オール電化にすることで大きな割引が受けられますが、ガスを使用するこのシステムでは、どういう料金体系になるのか。また、ガスについては、大阪ガスではガス温水床暖房などを使う場合、割引料金が適用されますが、この場合はどうなるのだろうか?
CO2を削減するという目的ではおそらく最も有利なシステムだとは思いますが、光熱費を削減するという目的とイコールにならない可能性もありますね。
ちなみにこの給湯システムの値段は、70万円余りですから、既存の多機能エコキュートよりはずいぶん安いですが、従来のエコジョーズよりはずいぶん高い設定です。はたして市場はどう反応するのでしょうか?
低圧樹脂注入
写真はコンクリートにエポキシ樹脂を注入しているところ。
鉄筋コンクリートの躯体のクラックに、ご覧のように注射器を取付、樹脂を注入してコンクリートの補強を行っています。
エポキシ樹脂は圧縮強度・せん断強度共に強く、注入をすることで元の鉄筋コンクリートより強度が上がるというデータがあるほどで、マンションなどの外壁改修や、木造の建物でも基礎の耐震補強などに用いることもあります。
強度を発揮するためには、クラックの奥の奥まで樹脂を注入する必要があり、そのためにさまざまな工法が開発されています。
中でも、今主流なのが低圧注入工法です。かつてはポンプを使って高い圧力で樹脂を注入していたのですが、細いクラックになればなるほど、クラック内にある空気をうまく排出できず、樹脂が均等に行きわたらないことがわかってきました。そこで、発想を転換して、なるべくゆるい圧力で注入することで、細いクラックの隅々まで毛細管現象を利用して吸い込ませようという工法が開発されました。毛細管現象で吸い込ませるためには、樹脂をシャバシャバの状態にしてやる必要があり、そうするとせっかく注入した樹脂が流れ出てしまいます。そこで、ご覧のようにクラック部分をあらかじめシールして、こぼれ出ないようにして注入するという工法が確立されました。
材料の値段も高く、手間も結構かかるのですが、浮いている部分をはつり出してモルタルなどで補修するよりも、ゴミや騒音が少なく、工期も短縮できます。
今では、鉄道や高速道路の橋梁・橋脚の補強などにも幅広く使われています。
稲荷鳥居
今年も鳥居を作成しているというお話は以前に書きました。今月の11日に建てるようにずいぶん前から手配をしていたのですが、先週の末になって、今週の天気がずーっとよくないというので、急きょ7日の日曜日に建てることになりました。
大工さんの他、穴を掘って足元を固める左官屋さん、笠木に銅板をかぶせる板金屋さんに連絡をとり、みなさんのご協力で無事に予定の工事を進めることができました。
ここのお稲荷さんの鳥居を建てるのは、私にとっては4本目ということになります。建てられる施主は数人共同でされるのですが、メンバーは都度変わります。大勢の方がかかわらる事になるので、いろんな要望が出てきて、毎年何がしか改良や変更が加えられます。
今回は建て方のときに大勢の方が立ち会ってくださったので、工事中に変更することもありました。それがこの写真。
通常10cmくらい立ちあげるのですが、急きょご覧のように40cm程立ちあげることになりました。
黒い部分が短くなってしまい、バランスが悪くなるのですが、泥はねがかからない分腐りにくいでしょう。
ここのお稲荷さんにある鳥居は、ずいぶん昔から地元の方の寄付で建てられており、そのときどきで形や大きさもさまざまです。ですから、赤と黒のバランスもそれほど重要ではないのです。
私としては、いちおう建築のプロとして、”稲荷の鳥居はこうあるべき”というものをご説明するのですが、自分たちで建てた鳥居がまわりのものよりもちょっとだけ立派で、長持ちして欲しいというご希望も当然のことでしょう。というわけで、ちょっといびつなバランスに仕上がることになりました。
もうひとつ今回はスペシャルがあります。奉納した方々の名前を書き込んだ額を付けるのですが、これに額縁を廻ってほしいと頼まれました。そしてさらに、現場で仮づけしたところ、額縁を朱に塗ってほしいとのこと。いろいろと要望がエスカレートしてきます。根巻きモルタルの高さはいろんなのがありますが、額縁を廻ってあるのは他には1つだけ(これは板を2枚剥ぎにしているので廻る必要があった)、塗っているものは一つもありません。これで参道の中で一番目立つ鳥居になることは間違いありません。しかし、そんなに目立ってよいのか少し心配です。
重森三玲邸
土曜日は京都鴨川塾で重森三玲邸に行きました。
重森三玲は昭和を代表する庭園家で東福寺や松尾大社なども手掛けているのだそうです。
この重森三玲邸は、もちろん庭を自身でつくったのですが、生前はそこに暮らしていたこともあり、一般には公開されませんでした。また、何度も手を入れているので、完成度も高いといわれているとか。
これは座敷から見た前庭。切り取られた部分のバランスが完璧です。
奥の茶室から見ると、林立する石の奥行きが現れます。乱張りの石は海岸線をイメージさせる州浜づくり。
イサムノグチから贈られたというちょうちん型の照明が座敷に。
三玲自身がつくったものが茶室に。
波をかたどった茶室の襖。
そのほかにもいろいろ面白いディテールがありました。
鴨川塾でいろいろな所につてれもらうたびに、京都ってすごいところだなとつくづく思います。
高速道路無償化第1弾発表
民主党政権の目玉の一つである高速道路の段階的無償化が具体的に動き出しました。
6月をめどに一部の無償化がスタートします。
今回対象となるのは37路線で、近隣で言うと京都縦環道と舞鶴若狭道の一部だけです。
私が頻繁に利用する京奈和自動車道や第二阪奈、第二京阪などは含まれていません。そもそも阪神高速道路は無償化の対象ではないので、第二京阪は無償にならないのかもしれません。
そういえば、第二京阪が3月に門真まで延伸します。これによって大阪市内へのアクセスが随分と良くなります。こうなると大阪市内が混雑するのではと心配になりますが、1号線の枚方周辺の混雑は緩和されるでしょう。
しかし、これらの新しい道路は料金がものすごく高いですね。安くすると混雑してしまうから高いのかもしれませんが、利用されないと本末転倒ですよね。一部の金持ちだけのための道路ということになってしまいます。
ところで、今回の一部無償化に1000億円が投入されるそうですが、収入が1000億円減るかもしれませんが、料金所の職員の方たちはリストラされるのでしょうね。そうなると人件費などが減りますから、正味1000億円減るわけでもないのでしょうが。
ご存知の方もおられるでしょうが、高速道路の料金所にはたくさんの職員がおられます。各料金所のそばには立派な事務所があって、交代の方や事務職員など10名くらい常駐されているのではないでしょうか?(私の印象です。実数は知りません。)これらの人たちが不要となってしまうのかも知れませんね。もっとも就職難のご時世に多くの方が職を失うことにもなりますが。
また、1台2億円ともいわれる料金所に設置されているETCの設備は無用の長物になってしまうのでしょうか。よく八ツ場ダムが取り上げられますが、2億円×????台と考えると、これもとてつもない金額じゃないでしょうか。もったいないですね。せっかくついているのだから、一区間ごとに一律100円くらいで全国統一にしてくれたらとも思います。でもそうなると車載用のETCは無償で配布してもらわないといけませんね。
ともあれ、年に何回か丹後方面に車で行きますので、その時は恩恵を受けることになりそうです。
京都市景観シンポジウム
京都市景観シンポジウムが昨日行われました。
京都市に景観条例が導入されることと合わせて、京都市景観デザイン協議会というのがたちあげられ景観規制内容についての検証などの活動しておられるのですが、その中間報告のような位置づけでシンポジウムが行われたようです。
わたしは、ちょうど京都市内の物件の設計していて、規制内容や手続きについて勉強しなければという思いもあり、参加してきました。
内容は細かな規制についての説明というものではなく、景観条例が施行されてからの動向についての報告のような感じでした。ただ、実際の施工事例の紹介で規制の中で個性的な建築をされているものは大変参考になりました。
景観条例の導入には、ヨーロッパの古い都市のような美しい景観を、京都にも取り戻したいという思いがあったものと聞いています。私もその考えには大賛成ですが、すでにここまで無計画な開発が進み、そこでの生活・事業が定着していますから、いまさら”古都京都”らしい景観を取り戻すことは相当に困難です。
条例の導入はそれに向けての第一歩ということでしょうが、やはり道のりは険しいようです。
一時的には個人の不動産価値を下げるような規制になってしまいますから、反発が起こるのも当然ですし、いきなり強制執行するような社会でもありません。長い時間をかけて住民みんなの理解のもと進めなければならないことだと思います。
シンポジウムに参加していろいろ感じるところはありましたが、どうしても気になる点があります。それは、規制内容をクリアすること=京都らしい建築とはなっていないことです。建売住宅の紹介もありましたが、確かに瓦を葺いて庇も付いていますが、京都らしい風情はかけらも感じません。限られた予算の中でつくるのですから仕方ないとは思いますが、いかにも”なんちゃって和風”みたいな感じです。
一方、”文脈を読む”と表現されましたが、その地域の歴史伝統を読み込んだデザインであれば、特例を認めておられます。
”文脈”といわれるとなんともあいまいです。先程も書いたように、すでに無計画に開発されているところの文脈はどのように読み解けばよいのかわかりませんし、では100年後200年後のビジョンをというと、それが正しいのかどうかをだれが判断できるのかという問題があります。
う~ん、難しい。要するに、建築デザインをするものがレベルアップしないとダメということですね。
いずれにしても、私たちは、少なくとも京都というまちが持つ歴史・文化・風俗・習慣などをよく勉強し、それをデザインに生かしていくことが必要なのだと、あらためて感じました。