健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」
謹賀新年
新年あけましておめでとうございます。
年末から年始にかけて、一級建築士事務所登録、宅地建物取引業免許、建設業の許可の更新手続きを終えました。
5年ごとの更新が2度目なので、丸10年を迎えたということになります。
お客様はもとより、多くの協力業者の方々、いろんなところで応援してくださっている皆様のおかげです。心から御礼申し上げます。
これからも、”健康住宅”を提供し、皆様の幸せな暮らしのお手伝いをしていきたいと存じますので、引き続きご愛顧ください。
さて、WEBの更新もおろそかになっておりましたが、さきほど施工事例を更新いたしました。
倉庫を住宅にリノベーションしたお宅と、依然ご紹介したヘアサロン併用住宅です。ぜひご覧ください。
2018カレンダーが完成
2018年版オリジナルカレンダーが完成しました。
毎回家づくりに関するコラムを12コマ書いているのですが、今回のテーマは「家を守る」です!
家が出来上がってからお客様とのおつきあいが始まります。定期点検の内容や意味合い、経年ごとのメンテナンスの目安など、大切な家にいつまでも安心して暮らしていただくためのポイントを整理しています。ぜひご一読を!!
以前からお付き合いの皆様、過去にお問い合わせをいただいた皆様には、郵送の手配をしており、昨日くらいから届いているようです。
数日待ってもまだ届かないということであればお知らせください。
このページをご覧になって、どうしても欲しいという方は、若干の予備がございますので、お問い合わせください。
精華町狛田駅東に美容室がオープン
相楽郡精華町に新築させていただいたお宅ですが、1階部分を美容室として開業されます。
そよかぜの家がプロデュースした居心地のいい空間ですから、リラックスして過ごしていただけること間違いなし!
オーナーでスタイリストの中村さんは、ロンドンのSASSOON ACADEMYに留学後、各地のサロンで経験を積まれ、30歳にして開業されます。
魚釣りが趣味だそうで、海をイメージした店内の装飾も手作りしておられます。(写真では何もありませんが・・)
RIGHAIR(リグヘアー)というお店です。11月22日(水)OPEN!!
場所はこちら↓↓ こまだ保育園の南側です。お近くの方はぜひご利用ください。
https://www.google.co.jp/maps/place/34%C2%B046’44.9%22N+135%C2%B047’28.9%22E/@34.779139,135.790272,18z/data=!3m1!4b1!4m6!3m5!1s0x0:0x0!7e2!8m2!3d34.7791395!4d135.7913689?hl=ja
施工事例を更新しました。
伏見桃山の山ろくに和のたたずまいのお宅を建築しました。
景観の規制、高さ制限が厳しい中、4世代が暮らすためのボリュームある空間を確保。
吹抜けを効果的に配置して、1階まで光があふれています。
こちらのお宅では、ふく射冷暖房システムを導入いただきました。
音も風もないふく射冷暖房は、高気密高断熱のそよかぜの家とのマッチングも良く、とても快適な空間となりました。
ふく射冷暖房パネル
以前にご紹介した輻射冷暖房パネルが稼働しました。
写真の右手にある格子状のものがそうです。今回は高めの天井高に合わせて、パネルも特注サイズで2400あります。
エアコンなど他の暖房は使用していませんが、2月上旬の外気が氷点下の日でも、十分暖かく過ごすことができました。
この格子状のパネルが循環水によって40℃位に温められ放熱します。これによって、床面がまるで床暖房が入っているかのように暖かくなります。
人が感じる温度(体感温度)は、室温と壁・床などの表面温度の平均値になると言われています。輻射暖房の場合、床・壁・天井が輻射熱によって直接温められるので、室温よりもむしろ高くなります。このため、室温が低めでも寒さを感じにくくなります。
ふく射冷暖房システムは、ほかにもいいところがあります。
① 音がしない・・・ファンがないので音は全くしません。ホコリを拡散することもありません。
② フィルターがない・・・すなわち掃除の必要もありません。
③ 省エネ・・・お湯をつくるのはエコキュートです。もっともエネルギー効率が良いと言われるヒートポンプシステムにより、電気代も抑えます。
④ 長持ち・・・室外機は、水を温めること・冷やすこと以外の機能は持たない、シンプルな機械なので、故障も少ないと言われています。
⑤ 意外にローコスト?・・・50坪くらいの家まで1台の室外機でまかないます。将来の取替も1台だけですから、ライフサイクルコストは抑えられます。
⑥ 配管が露出しない・・・せっかく出来上がった建物にエアコンの配管が出てしまうのは残念ですよね。耐久性の高い配管材を用いるので、隠ぺい配管しても安心です。
では欠点は・・・
① イニシャルコストが高い・・・各部屋にエアコンをつけるよりは高いです。
② 大きい・・・ごらんのとおり。設置場所を設計時から考えておく必要があります。
③ 立ち上がりが遅い・・・スイッチを入れたらすぐに温まるというものではなく、24時間冷暖房を前提にしたシステムです。
④ 高い断熱性能が必須
さて、夏の冷房運転がどれほど効くのか楽しみです。
今年は花粉が多いそうです
毎年この季節は花粉が多く、不快な思いをしておられる方も多いかと思います。何を隠そう私も花粉症でなのですが、不思議なことに雨が降っている今日みたいな日に調子が悪くなります。雨だから飛散は少ないはずなのに不思議です。
さて、そんな花粉でお悩みの方に、そよかぜの家の花粉対策をご紹介しましょう。
そもそも、高気密高断熱で、きっちりと計画換気をしていれば、屋内に入ってくる花粉の量も少ないのですが、もっと少なくしたいという場合には、給気フィルターを取り換えます。
これが標準でついているフィルターです。40mm厚とかなり厚みもあり、花粉はほぼ(メーカーによると89%)除去してくれます。消音効果もあります。
PM2.5もとりたいという方はこんなものがあります。
黒いフィルターの間に目の細かいフィルターをサンドイッチしています。帯電加工がされていて、静電気で微粒子も捕まえるので、PM2.5も97%除去できるそうです。
一方、フィルターを分厚くしたりきめの細かいものにすると、それだけ空気抵抗が増え、給気がしにくくなります。また、目が細かいほど目詰まりするので、交換周期は短くなります。
花粉は気にならないけど、換気は十分にしておきたいという場合は、逆に空気抵抗の少ないフィルターも選択できます。
見た目は標準とあまり変わりませんが、若干目が粗く、通気性を重視したタイプで、花粉除去率は82%と少し落ちます。
標準のフィルターであれば、水洗いもできるので、1~2年くらい使えますが、下のPM2.5対応のフィルターは、帯電が取れるので洗うこともできず、2~3カ月での交換が必要です。
ご家族の症状によって、使いわけるのがよいでしょう。
ところで、花粉が一番たくさん入ってくるのは、玄関からだと言われています。それも、飛んではいってくるのではなく、衣服について入ってくるのだそうです。衣服をはたいて花粉を落としてから家に入るのが、効果的だそうです。
メールサーバーの不具合
16日から発生しておりましたメールサーバーの不具合は、先程回復いたしました。
ご迷惑をおかけいたしました。
不具合のあった期間中に送信いただいたメールは、すべて確認できているかとは思いますが、念のため再送信いただけるとありがたいです。
不具合があった期間は、9月16日(時刻不明)~20日13時までです。よろしくお願いいたします。
省エネはそんなに大切か!?
先日、「住宅省エネルギー技術研修」というものを受けました。補助金を受けるための必須条件になっていたのと、世間の断熱技術の認識がどこまで進んだのかも気になっていたので、行ってきました。
思い起こせば、1998年ごろ、京都議定書の締結をきっかけに、住宅の高断熱化が叫ばれ、住宅金融公庫の割り増し融資というおまけをつけて推進されていたことを思い出します。
当時の断熱材のスタンダードは、50mmのグラスウールでした。グラスウールはその名のとおりガラス繊維を綿状に加工したものですが、断熱材の中で結露することがわかっており、結露した水分を乾かすために外壁側に通気層を設けることが施工のポイントでした。当時私は現場監督として、通気層の重要性を職人さんたちに説明し、きっちりと施工してもらうよう指導していました。ところが、お役所主催の講習会では100mmの壁に100mmの断熱材を充填することで断熱性をあげるのだというではありませんか。納得できない私は、講習の内容は聞き入れず、独自に高気密高断熱に関する勉強をはじめたのでした。そして、2000年に硬質ウレタンフォームを用いた外張り断熱工法による「健康住宅そよかぜの家」の第1号が出来上がりました。その後も、現場での施工経験を積みながら、新しい素材を取り入れ、何段階も進化した形で現在に至っています。
今回の研修の内容について、気密シートの重要性については認識しているように感じましたが、相変わらず夏型の結露についてはノーマークですし、20年前とあまり変わらないといっても過言ではありません。
もっと安全な方法があるのになぜそうしないのか不思議です。大人の事情というやつなのでしょうか・・・
一方で、たった一日の講習を受けるだけで、断熱施工のプロであるような認証を与えてしまうのはどうかと思います。長期優良住宅とか認定低炭素住宅・ネットゼロエネルギー住宅などという評価を付けられると、みんな一緒のように思われてしまいますが、断熱性能についても耐震性能についても、いろんな考え方があり、その中身は本当に千差万別です。
再びシックハウスが大発生しないことを祈るばかりです。
省エネも大切ですが、もっと大切なものを忘れていませんか?
輻射冷房
輻射(ふくしゃ)冷房という言葉、きかれたことはありますか?写真の白いルーバー状のものがそれです。
熱の伝わり方には3種類あります。伝導・対流と輻射(ふくしゃ、放射ともいう)です。
洞窟の中でたき火をしているとします。火に鉄瓶をかけると直接火に触れている鉄の部分が熱くなり、やがて鉄瓶の取手も含め全体が熱くなります。これが伝導。
鉄瓶の中の水は、直接鉄に触れている部分が伝導によって温まりますが、温まった水は比重が軽くなって上の方に上がり、冷たい水が下に下がります。そこでまた温められて上に上がり、冷たい部分が下がってきてという繰り返しをするうちに、水がお湯になっていきます。これが対流です。
鉄瓶の水と同じように、洞窟の中の空気も、火に触れた部分が温まり対流を繰り返すことで、だんだん暖かくなります。
火に手をかざすと暖かさを感じます。これが輻射熱です。輻射熱は、空気を暖めるのではなく、直接手や顔を暖めます。
対流によって洞窟全体が温まるにはかなりの時間を要しますが、輻射によって体を直接温めれば、気温が低くても暖かく感じます。
一般的な暖房であるエアコンは対流で温めます。エアコンはヒートポンプで空気を暖め、暖かくなった空気を吹き出します。温めらてた空気は対流を繰り返しながら、やがて部屋全体を暖めることができます。エアコンの特長はヒートポンプという大変効率の良いシステムで熱を作り出すので、同じ熱量を得るのに必要なエネルギーの消費が少ないとされています。
輻射暖房は、床暖房やパネルラジエータ―・薪ストーブなどが代表的です。床面が温かいと触れている足は伝導で暖まりますが、それだけではなく、床面から放出される熱が、直接体を温めます。先程のたき火と同じ理屈です。輻射暖房の特長は、直接体を温めるので、室温が低くても暖かく感じられることです。
高気密高断熱住宅においては、輻射暖房を使うことで、とても快適な室内環境をつくることができますので、そよかぜの家でも積極的に採用してきました。けれども冷房に関しては、輻射冷房システムは存在したものの、とても高額で住宅に導入できるようなものではなく、エアコンを上手に使う工夫をして、快適な空間を維持してきました。輻射冷房を導入することができたら、さらに快適になるはず・・・
夏のイベントなどで、会場の中に大きな氷の塊を置いていることがありますが、氷に近づくとひんやりしますよね。これは氷からの冷輻射です。
ご覧のパイプラジエーターに冷水を通すことで、氷の塊のように家全体を冷やすことができます。これが輻射冷房です。
冷たい水が流れると、ごらんのように結露が起こります。パイプがびっしょりと濡れてしまいますが、この水滴を集めて外に排出するようなシステムになっており、お部屋の中の湿度をグーンと下げることができます。
湿度を下げれば体感温度は下がるので、27℃前後で涼しく過ごせます。
おまけに、エアコンのようにフィルター掃除をする必要がありませんし、音もしません。さらにさらに、ヒートポンプを使うので、ランニングコストはエアコン並、高額だったイニシャルコストも導入可能なレベルになっています。
もうあなたの家にも入れたくなったでしょう(笑)
江戸時代の井戸らしい・・・
埋蔵文化財の包蔵地に指定されている木津川市内の現場で、こんなん出てきました。
掘っているときに出てきたのではなく、先日の雨の後、このようにえぐれていました。
文化財保護課の方に見てもらったところ、江戸~明治のころの井戸の跡だそうです。記録をとったので壊してもよいとのことで、一安心。
建物にはあたらないのですが、排水管を通すのに石をどけないといけません。
それにしても、そんな大雨でもなかったのに、大きな穴が開いてしまいました。ここの土はどこに流れていったのでしょうか??
前面道路は年末に下水と給水管の取替工事をして掘り返していたので、そっちに流れていったのかもしれません。建物の下は調査しましたが、良くしまった堅い地盤だったので(実際に掘る時も相当堅かった)問題はないでしょうけど。
気密測定中
京田辺の現場で気密測定を行いました。
結果は ⅽ=0.4 で一発合格。
引違の大きな開口がたくさんある中では、まずまずの数字です。
c値とは、隙間相当面積と言われるもので、家全体の隙間を延べ床面積で割った数字です。
c=0.4 は、床面積1㎡あたり0.4cm2の隙間があることを意味します。
この建物の延べ床面積が120㎡あまりですから、120✖0.4=48となり、家全体で48cm2の隙間があるということになります。
ピンと来ないと思いますので、例えを変えると、はがき一枚がおよそ150cm2ですから、これの3分の1です。すごいでしょ。
ところで、c値は、家全体の隙間の大きさを延べ床面積で割って求めるので、延べ床面積に対して表面積が小さい形だと有利になります。
当社のように、大きな吹き抜けを設けると、その部分が延べ床面積に算入されませんが、これをc値の計算時には入れないと不利になってしまいます。
そんなからくりがあるので、c値の数字に一喜一憂するものではありませんが、今回の建物は間口が狭く奥行きが長い敷地に合わせたため、延べ床面積に対して表面積がまあまあ大きい間取りです。その中で0.4はよい数字と言えます。
そういえば、断熱性能をあらわす数字も、いままでのQ値からUA値に変更されました。
Q値は、c値同様最後に延べ床面積で割って求めるので、同じ性能のものでも、建物の形状によって数字が大きく変動しました。UA値は、最後に外皮(表面積)で割って求めるので、外皮の性能を正確に表すことができます。
前述のように、大きな吹き抜けを多用する当社の物件では、Q値が低く出てしまうことが多かったのですが、UA値だと正しく評価されている気がします。
煙突掃除
煙突掃除中です。
ストーブの上部についている煙突を外して、家の中から掃除をします。
上の方に袋がぶら下がっていますが、煙突の口にビニール袋をかぶせ、すすが落ちないようにテープで止めています。
袋に小さく穴をあけ、煙突掃除ブラシを差し込んでいます。
黒く見えているのが落ちてきたすすです。
最終これだけのすすが取れました。1リットルくらいでしょうか。
煙突掃除に使った手袋はすすが入り込んでいるので処分します。中の手もこんな感じ。
そして火入れ。
煙突掃除のマメ知識として、
①掃除は夕方にしましょう。季節は秋がよいです。
煙突にこびりついたすすは乾燥している方が取れやすいので、空気の乾燥している秋が最適です。また、煙突の中をワイヤブラシでこするので、わずかにすすが飛散する可能性があります。近くに濡れた洗濯物があるとついてしまうと大変ですので、洗濯ものの取り込みが済んだ夕方がよいのです。
②火入れは雨の日に
掃除の後初めて火をつけるのは雨の日がよいです。掃除で掻き取られたすすが煙突内に残っています。最初に火をつけるときは、ストーブで温められた上昇気流に乗って、すすが飛んでしまう可能性があります。雨の日だと、雨ですすが流れていくので、ご近所に迷惑をかける心配がありません。
いよいよストーブシーズンが開幕!寒いのは辛いですが、ストーブをつけるのは楽しみです。
屋根のメンテナンス
住宅のメンテナンスの中でも重要なのは屋根です。屋根の仕上げによって、そのメンテナンスの費用・内容・周期は変わるので、建てるときのコストだけでなく、メンテナンスコストも含めて考えることが大切です。
この写真は30数年程前に葺かれた洋瓦屋根の谷板です。瓦自体は陶器なので、目立った劣化はありませんが、谷板に使われている銅板がとても傷んでしまい、ごらんのとおりポッカリ穴が開いています。こうなると雨はダダ漏りです。
谷板の下にはルーフィングがあるため、雨降りのたびに漏れるとは限りませんが、ここまでくると、室内にも雨漏りが及びます。
小さな穴ならハンダやコーキングで修繕しておくこともありますが、今回は谷板を入替えました。同時に、棟や熨斗(のし、1階の屋根と二階の壁の取り合い部分)のしっくいを修理しました。樋も銅製でしたが、部分修理で済みました。
瓦屋根の場合、費用にして2~30万円程度(30~40坪程度の一般的な住宅の場合)の修理を20年おきぐらいでする必要があります。
最近の洋瓦は、しっくいを詰めているところがない場合が多いので、修理する箇所が少なくなっていますが、和瓦は今でも同じです。
カラーベストや鋼板の場合は10~15年おきに塗装が必要で、これをせずに放置すると劣化が進行し、葺き替えが必要になります。また、これらの仕上げは、屋根の下地に合板を用いますが、結露等で合板が劣化してしまう恐れもあります。(最近は屋根葺きに通気工法をとるので、劣化の速度はかなり遅らせることができます。)全体として考えると、瓦屋根に比べて、初期費用は安いですが、メンテナンス費用は高くなるということです。
エアコンの水漏れ
エアコンから水漏れしたという経験はありませんか?実は先週うちの家で起こってしまいました。
水漏れが起こると、エアコンの下の壁や床がびしょびしょになって、シミができたりします。2階でで起こった場合は厄介で、1階の天井裏に水がたまり、さらに1階の壁や床にまで被害は及びます。うちの場合も2階のエアコンから水漏れが起こりましたが、水が1階に達するまで気が付かず、えらいことになってしまいました。
こんなことにならないために、ちょっと勉強しておきましょう。
エアコンの中には銀色のヒダヒダのついた部品がありますが、これが熱交換器です。この中に冷媒が入っていて、冷房時にはキンキンに冷え、このヒダヒダの周りには結露が起こり、空気を冷やすと同時に、空気中の水蒸気を取り出すことができます。これが冷房・除湿の仕組みです。
この結露した水は、ドレンパンという受け皿にたまり、そこからドレンホースを通って外に排出されます。エアコンを運転していると、屋外に出たホースから水がぽたぽた落ちているやつです。
エアコンの水漏れは、ほとんどがこのドレンホースのつまりが原因なんです。
エアコン本体が吸い込んだ埃(フィルターだけでとり切れない)は先程のヒダヒダに部品に付着したり、ドレンパンにたまります。それが、水と一緒にホースから排出されます。壁掛けのエアコンで、すぐ後ろに室外機があるような場合だと、ドレンホースの長さが短いので、詰まる心配はほとんどありませんが、天井に埋め込むタイプであったり、ドレンホースが長く配管されているような場合は注意が必要です。ドレンを流れる水はチョロチョロ程度なので、ホースの中に埃がたまることがあります。湿った埃にはカビが生えてその嵩を増したり、ホースにこびりついたりして、流れを悪くします。この状態を放置すると、しまいには詰まってしまい、室内機のドレンパンがあふれて、本体から水がぽたぽたと落ちてきます。
うちはエアコンクリーニングをしてもらってるから大丈夫だと思った方、あきませんよ!
クリーニング業者さんが掃除をするのは、エアコン本体だけです。フィルターや熱交換器部分にも水をかけて、埃やカビを取り除いてくれるので、本体はきれいになります。本体にビニールをかぶせて、汚れた水をバケツに集めて受けているので、落とした埃やカビはすべて回収していってくれるかのように思いますが、実はそうではありません。洗い流した水は、ドレンパンの方にも流れていきますので、落とした埃やカビはドレンホースに流れていきます。にもかかわらず、このホースの掃除はしてくれないのです。
実際に、うちで水漏れを起こしたエアコンも、1か月ほど前にクリーニングをしてもらったものです。
ではどうすればよいのでしょうか。
ドレンホースの掃除は、ドレンホースクリーナーという道具を使えば、驚くほど簡単です。
これが、ドレンホースクリーナーというもので、大きな注射器をイメージしてもらえればわかりやすいかもしれません。
ドレンホースの先に、この大きな注射器を取り付けて、取手を引っ張ることで、たまっている水と一緒に埃を吸い出します。
2~3回シュパシュパとやれば終わりです。
埃がたまったままシーズンオフを迎えると、乾燥して取れにくくなってしまう可能性もあります。夏の終わりにやっておけば、来シーズンも安心です。いつも頼んでいるクリーニング業者さんがあれば、ドレンホースも掃除してくれるように頼んでみるのもよいと思います。