
健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」
そよかぜニュース発刊
12月1日、当社は独立後3周年を迎えることができました。
3年間を振り返ると、ほんとにいろんなことがあって、あっという間でした。
そんな節目に当たって、そよかぜニュースを発行しました。
OBの皆様へはカレンダーと一緒に発送しています。
PDF版もございますが、うまくこちらにはりつけられなかったので、ご希望の方にはメールで送ります。
内容は、「込栓(コミセン)」に込められた思い、「はまっているもの」などです。薪ストーブクッキングのご紹介もあります。
ぜひご一読ください。
2011年カレンダー完成
ブログのお休みがずいぶん続いてしまいました。
実はこの間に、2011年のカレンダーの原稿を書いたり、写真を編集したり、そよかぜニュースの原稿を書いたり・・・など、オフラインの作業に没頭していました。
というわけで、ネタはいっぱいたまっているのですが、いっぺんに書くと長くなるので、取り急ぎカレンダーをご披露します。
今回も卓上タイプです。
コラムは家づくりのプロセス解説です。
一生のうちに何度も家づくりを経験する人は少ないでしょう。初めて取り組む一大事業を上手に進めるための情報を各月にご紹介しています。
当社のOBのお客様や資料請求いただいた方には、そよかぜニュースと一緒に発送しております。
届くまでしばらくお待ちください。
「私も欲しい!」という方は、メールください。
薪ストーブがうまく燃えない??
今朝はずいぶんと冷え込みました。いよいよ本格的にストーブを焚く季節になってきました。
今年薪ストーブを導入したお客さまにとって、はじめての冬を迎えることになります。慣れないうちはうまく燃えないことも良くあります。特に、薪の乾燥具合によっては燃えにくい場合があります。
市販されている”乾燥薪”といっても、カラカラに乾燥しているわけではありませんし、置いている間に空気中の水分を吸収していることもあります。一般に、屋外に木材を放置しておくと、含水率18%前後で安定するといわれていますから、それくらいの水分は含んでいることになります。ストーブで燃料として使うには、もう少し乾燥してくれないとよろしくありません。
本格的な冬に入ると、空気中の水蒸気量もぐんと減りますから、木材も乾燥します。さらに、温度の高い室内にいれて置いておくと、どんどん乾燥が進んで、薪がよい状態になってくれます。
この時期、外に置いてある薪を持って入ってそのままくべると、少し燃えにくいというのはこういうことなのです。
対策としては、直径3~5cm程度に小割りした薪を準備し、焚きつけの時に少し多めに入れます。そして、若干高めの温度設定で使うとよいでしょう。それほど寒くないので温度も低くしたいのですが、低くすると乾燥の程度が悪い薪はますます燃えにくくなってくすぶってしまうこともあります。
温度を上げるには、燃えやすい状態の薪を多めにくべることと、空気量を多くすることです。十分に温度が上がるまでは、空気量も多めにしておくとよいでしょう。
薪の樹種や太ささらにその乾燥具合によって、温度の上がり具合が変わってきます。この辺は使いながら覚えていくしかありません。それがまたストーブユーザーの楽しみでもあります。
同じストーブでも、煙突の工事の仕方、煙突の高さなどによって、ベストの使用方法は異なるので、ユーザー自身が試行錯誤して使うしかありません。
といろいろ書くと、ずいぶん難しいように思わるかもしれませんが、そもそも薪ストーブは、薪を燃やすためにつくられた精密機械のようなものですから、バーベキューの時のように火おこしに苦労するようなことはありません。女性でも簡単に使うことができるものですのでご安心ください。
なによりも実際に使ってみるのが一番です。
私がいつもお世話になっている、京阪エンジニアリングさんでは、いくつかの種類のストーブを実際に燃やして、その違いを見ることができます。また、当社の尖山ショールームでは、ヨツールF500を実際に使いながら、家に置いたときの使い方、設置の場所や設計の話なども含め、私が直接ご説明させていただきます。
薪ストーブを体験してみたいという方はお気軽にお問い合わせください。
大改造の完成
きのうは、生駒でこの夏に工事をさせていただいたお宅へ、ストーブの火入れをしに行きました。
こちらのお宅は、築30年の中古住宅を購入され、まさにテレビの「劇的大改造・・・」ばりの大改造を行いました。
もともとキッチリと設計監理して建てられたお宅だったようで、図面も残っていましたから、耐震診断を行ったうえで大改造に耐えられるとの判断をして設計させていただきました。
重要な耐力壁をはずすことなく、間取りを大胆に変更し、さらに必要な補強を加えました。
お客様は、そよかぜの家が得意とする開放的な間取りをお望みでしたが、中古物件のため断熱性能に不安があり、設計段階でいろいろと悩んだあげく、断熱内窓を全室に取り付けることにしました。生駒は寒いところなので、冬がどうしても心配だったのですが、薪ストーブを導入することにしていたので、思い切りやることにしました。
薪ストーブの暖房能力はほんとうに強力なので、一台で家全体を十分に暖めてくれます。さらに、タイル張りのキッチンに床暖房を備えたので、タイマーを使えば朝起きた時から寒くありません。まさに至れるつくせりという感じです。
と語り始めるときりがないのですが、火入れ式の写真をアップします。
今回は、いつもお世話になっている京阪エンジニアリングさんの富永さんのご説明を受けながらの火入れです。
ご主人が薪ストーブに命を吹き込みます。
1ヶ月前にお兄ちゃんとなったご長男も興味津津。
よく見ると、いつも元気なモモちゃんは半袖です。
命を与えられた薪ストーブの脇に、この日宮参りを終えたばかりの赤ちゃんが。この子とストーブは同い年ということになります。
ストーブは大切に使えば20~30年以上も使うことができます。この家と共に、ご家族の思い出を刻んでいくことになります。
工事は8月に終わっていましたが、ストーブの火入れがすんで、ようやく完成を迎えました。
片流れ屋根の棟換気
片流れ屋根ということは、棟はないのですが、片流れ用の棟換気というものがあります。
軒先換気というべきところなのでしょうが、軒裏の換気口と区別するためにこのような言い方をしているのでしょうか。
棟換気というやり方はそれほど昔からあるわけではなく、最近になってその弊害(?)もわかってきました。
屋根裏の温かい空気を、一番高い棟の部分で抜くことになるので、非常に換気効率がよく、かなりの勢いで熱気が放出されます。反面、出ていく分の空気をどこかから吸い込まないといけないのですが、工法によっては、軒裏の換気口から入ることになります。そうすると、この軒裏換気口から、かなりの勢いで空気を吸い込むことになります。
たとえば真夏の夕方、屋根裏の空気は日中に暖められているので、棟換気が暖かい空気をドンドン放出していますので、軒裏換気口はかなりの勢いで空気を引き込んでいます。こんなときに激しい夕立があったらどうでしょう。強い風で軒裏にまで雨が巻き上げられますが、その巻き上げられた雨を、軒裏換気口から吸い込んでしまうことがあるのです。
こうして軒裏から雨が漏れるという事態が起こってしまいます。
棟換気がない場合でも、あり得ますが、より起こりやすくなるといえます。
そよかぜの家の場合、外張り断熱で外壁通気工法をとっているので、土台の水切りの隙間から棟まで空気層が続いてます。軒裏換気口がなくても、棟換気は機能を発揮してくれるので、あえて危険を冒さず、軒裏換気口をつけないこともあります。
今回は、片流れなので、吸い込む力がより強くなると考えられるので、軒裏換気口はつけませんでした。
高い方の軒裏で、排出口として軒裏につけることも考えたのですが、万が一の雨漏りの危険を考え、”片流れ用棟換気”というものを採用しました。
ご覧のような断面で、小口はカバーでふさぎます。
これで出来上がり。
実験
尖山ショールーム(=私の自宅)ではいろいろなテストを行っています。
そもそも、そよかぜの家の高気密高断熱や自然素材の住み心地を自ら体験するために建てたようなもんですから、いろんなところで、新しい素材を試しています。
ICASシステムや塗り壁材のテストなど、寝室の壁はその歴史が刻みこまれているのです。
今回の実験は、それに比べると簡単です。
ご覧の写真、これまたちょっと見にくいですが、ダイニングのペンダントです。
3つのランプが微妙に違うのがお分かりでしょうか?
実は、今話題のLED電球を使ってみました。以前にもご紹介しましたが、小型のクリプトン電球サイズのものは、まだまだ高額でしかも光量が足りないものがおおかったのですが、最近ではずいぶん値段も下がってきた上、光量もそこそこ上がってきたので、ためしに使ってみました。
3つのうち、真中の一つだけが、従来のクリプトン電球です。
LEDはグローブの上の方が暗くなっています。一応電球色のLEDなのですが、蛍光灯ほどではありませんが、若干青白い感じがします。
つけた瞬間は、ずいぶん違和感がありましたが、数日経つと慣れてしまいました。
今のところの感想は、
①演色性は電球の方がずいぶんよいが、一般住宅に使用するレベルであれば、慣れたら一緒という感じ。
写真のようなダイニングは、食材の見栄えが少し変わる気はするが、熱を発しないという魅力も大きい。
②電球の値段と電気代を比べると、まだまだ得だというほどではないが、吹抜けの照明など、電球の交換が大変なところへは、LEDはお勧めだと思います。
ちなみに、シリカ電球サイズのものは、小型のものよりも、光量・演色性とも優れているように思います。価格も安いので、一気に普及するのではないでしょうか。
プチリフォーム
ご近所でプチリフォームをさせていただきました。
ちょうど広角カメラを買ったので、ためしに撮ってみましたが、撮り慣れていないせいもあって、帰ってから見てみると、こんなに歪んでました。色合いも良くありませんね。子供たちがWiiをやっている最中だったので、止めるのもかわいそうだからそのままとったらこうなりました。まあご辛抱ください。
地デジ対応のテレビに買い替えされるおり、既存の造り付テレビボードでは入らなくなるということで相談があり、工事をさせていただきました。
ご覧のようなローボードをつくりつけたのですが、天板にはナラの横はぎ板を、その他は集成材を使いました。
シックな色目で艶消しの塗装をお好みでしたので、リボスのオイルフィニッシュとしました。
壁はちょっとおしゃれなモザイクタイルを張りました。上部にウォールウォッシャーを配しているので、照明をあてると陰翳が出てきれいです。
テレビ本体は壁掛けにし、壁の中を配線が通って、ローボードの後ろに出ます。ローボードには、もともとあったステレオを納め、テレビの音をステレオのスピーカーで鳴らせるようにつなぎました。
新しいローボードに合わせて、アジアンテイストのカゴを買ってきてくださったので、いい感じに納まっています。
薪ストーブの火入れ式
今年ストーブを設置したお宅では、待ち遠しい冬なのですが、シーズンインに先立って、ストーブの火入れ式を行います。
昨日は、左京区のお宅に伺いました。
平日ということもあり、夜8時ごろからになってしまったのですが、子供たちも起きて待っていてくれました。
京阪エンジニアリングの川上社長も子供たちの鋭い質問攻めに、ややタジタジでした。
無事に火がついて、炎の美しさに見とれる、ご主人と川上社長、それにご長男。
どういうわけか、火に興味を持つのは男の子です。
グッと照明を落としてみました。
動画も撮ってみました。
はじめての動画アップです。映るかな??
※オンラインで動画が見れないときは、右クリックして”対象をファイルに保存”してからご覧ください。
地鎮祭ってどうするの?
先日上棟式のお話しを掻きましたので、今日は地鎮祭について書いてみます。
地鎮祭というと、笹を四方に建てて、縄を張り、それにごへい(棟上げのごへいではなく白いぎざぎざになった紙)をつけ、その囲い中に祭壇をつくります。祭壇脇に、砂を円錐状に盛ります。
祭壇には供え物が必要で、海のものと山のものを備えます。海のものとは、海産物のことで、昆布やするめの他、鯛をじゅんびすることもあります。山のものは、野菜や果物などです。それに加えて、塩・洗い米・お酒を供えます。
式典は、神主さんの進行に従い、刈り取り、鋤取、鍬入れと進め、玉串を奉天します。
最後に、お神酒をいただいて終了となります。
住宅の地鎮祭の場合、神主さんが一人で来て取り仕切ることがほとんどですが、丁寧な場合は巫女さんが数人ついてくることもあります。
この場合神社に支払う料金は、3万円くらいです。大勢来られた場合はその分多く包みます。
費用としては、神社に支払うものの他に、笹などの準備や、テントの設営なども含め、3~5万円くらい必要です。
上棟式が簡素化されているのと同じく、地鎮祭も簡素化しています。
最近では、神主さんを呼んでまですることはほとんどなくなりました。
私の会社の近辺では、伏見の城南宮が安全祈願で有名で、ここでお祓いをしてもらう方が大多数です。
お祓いにもいろいろコースがありますが、一般的なコースのお祓いをしてもらうと、写真のようなセットがもらえます。
これで、地鎮祭から完成まで、現場を守ってくれるということになります。
左の袋に入っています。私たちにとってはなじみの柄です。
袋の隣が、清めの砂。これを敷地にまいて、簡易の地鎮祭とします。
その隣が、方除けのお札。工事の間、敷地の鬼門の角に飾っておきます。
その隣の四角い箱が、鎮め物。基礎工事の際に、建物の中央に埋めます。
一番右が、上棟のお札。この前ご紹介した御幣と一緒に、上棟式で飾り、その後屋根裏に納めます。
というふうに、このセットがあれば、ひと通りの行事はすべて行うことができます。
もっとも、このセットがなくても、行事ができないということではありません。
酒と米・塩をまいて地鎮祭をとり行い、上棟は御幣をこちらでつくりますから、お札はなくてもできます。
信心しているわけではないが、なんだかしておかないと気持ち悪いというような方には、数千円でひととおりやったことにできるので、お勧めです。
上棟式
先日木津川市の現場が無事に上棟を終えました。
写真は、御幣(ごへい)といい、京都ではこのような形に飾ります。
さて、「上棟式ってどうすればいいの?」という方も多いはず。何度も経験する人は少ないですからね。
私が仕事をしている京都南部エリアは、古い風習が残っていいるところも多いので、十年余り前までは、結構派手にドンチャン騒ぎをしていました。ご近所や親戚が集まって、時には鏡開きをしたり、今の時期なら松茸のすき焼きがでたり、大宴会をしていました。
そもそも、40年くらい前なら、レッカーもそれほど普及しておらず、棟上げというと、本当にご近所の方が手伝いに来て、材料を運んだりしていたそうです。また、家を建てること自体、3世代に1回くらいなので、本当に地域の人のお祭りのような感じだったようです。
一方大工さんにとっても、棟上げというのは特別なもので、多くの職人さんの協力のもと、無事に上棟までこぎつけられたといういみで、職人さんをねぎらう場でもあります。職人さんの中には、棟上げの宴会を楽しみに仕事を頑張っているというくらいの人もいました。
それから、だんだんと簡素化されてきましたが、それでも一生に一度のことですから、存分に喜びを分かち合いたいという施主様が根強く残っていました。
状況が一変したのは、数年前の飲酒規制の強化です。
それ以前も当然飲酒運転はいけないことだったのですが、基準が厳しくなったことで、コップ1杯でもアウトということになります。
これをきっかけに、私の場合は上棟のときの飲食を一切しなくなりました。
現在では、写真のような御幣を飾り、お神酒・洗い米・塩を用意し、上棟式のみ簡単に執り行います。宴会はなしです。
おもてなしがない代わりに、御祝儀を少しだけご用意いただくようにお願いしています。大工さんの楽しみですから。
薪ストーブのガスケット交換
日に日に朝晩の冷え込みが増してきました。もうすぐ薪ストーブの季節がやってきます。
毎年この時期、煙突掃除をするのですが、今年はガスケットも交換が必要です。
ガスケットというのは、ストーブの扉などについている気密パッキンのことで、ガラス繊維などでできています。
使っていくうちにだんだん固くなってきて気密性が悪くなり、ストーブの空気量の調整などがうまくいかなくなってきます。
ウチのストーブは、丸6年取替をしていなかったので、いくらなんでもそろそろ取り換えることにしました。
まずは、フロントドア。上に持ち上げると簡単に外れます。
古くなったガスケットをはがします。
本体にこびりついた耐火セメントを、マイナスドライバーでこそげとります。
あとはこの耐火セメントをつけ、新しいガスケットをはめ込むだけです。
・・・とおもったら、この耐火セメントが硬くてうまく塗れません。よくよく使用方法を見てみると、事前に柔らかくなるまで揉んでおかないといけなかったようです。いったん蓋をしてモミモミしたら、ずいぶんと塗りやすくなりました。
取替ができたら、本体にドアを取付、しっかりと締めて24時間置いておけば出来上がり。
意外と簡単です。
ガスケットは、F500の場合、フロントドアの他に、アッシュドア(灰を掻きだすところ)とサイドドアも取替が必要です。
ガラス押えなどは変えなくても大丈夫だそうです。
今回は、いつもお世話になっている京阪エンジニアリングさんに、「F500用のガスケットをください」と頼んだところ、”フロントドア用””アッシュドア用””サイドドア用”とそれぞれ対応する太さのものを必要な長さに切って分けて袋に入れてくださったので、迷うことなく作業ができました。材料代は耐火セメントと併せて6000円くらいでした。
ところで、写真で気付かれた方もおられるでしょうが、ストーブ本体に赤さびが出ています。
普通はこんなにさびが出ることはないのですが、今年に限ってあちこちがさびてしまいました。
これは、昨シーズン、杉・桧・松などの針葉樹をずいぶんたくさん燃やしたことと関係がありそうです。
針葉樹は、ご存じの通り、油分を多く含んでいますので、火力がとても強いのです。ストーブの温度が必要以上に高くなると、鉄に熱酸化が起こります。これがさびにつながったようです。
それほどひどい状態ではないので、このまま使うつもりですが、針葉樹を燃やす時は温度管理をしっかりしないといけませんね。
それと、昨年は、ピザやら何やら料理をいっぱい作りました。これらの料理をつくるときに、食材から油が出ます。
フロントガラスなどが油でべたべたになったりしますが、燃やしているうちに、きれいなります。
こういう動物性の油も一緒に燃やしていることになります。
実は、煙突掃除をしたとき、ススガものすごくたくさんありました。
例年はマグカップ1杯位なのですが、今年はどんぶり鉢があふれるくらいにとれました。いつもの5倍くらいかもしれません。
針葉樹と料理でススガ増えたのでしょう。
サヤ管工法の排水
長期優良住宅では、維持管理がしやすいように、給排水などの配管を基礎に埋め込む場合は、サヤ管工法を用います。
サヤ管というのは、実際に使うパイプが刀のサヤのように抜き差しできるように埋め込んでおく、少し太めのパイプです。
ベタ基礎の場合は、基礎のコンクリート打設にあたって、このサヤ管を打ちこむことになります。
実際の現場では、基礎の配筋が結構密集していますので、これを弱めないように位置を決めなければいけません。
ベタ基礎の場合でも、立上り部分を梁とみなして配筋の設計をしているので、梁の主筋にあたる上端筋と下端筋は切ってはいけません。スラブ筋は、やむを得ず切ることになりますが、こちらは必要に応じて補強をします。
こちらの現場では、北側に水回りの配管を集約していますので、北面の基礎にいくつもサヤ管が入ります。
弁護士事務所の内装工事
昨年工事をした弁護士さんの事務所です。
竣工の写真がうまく取れていなかったのですが、今回ホームページの作成にあたって撮影された写真をいただけたのでご紹介します。
☆エントランスホール
所長こだわりのアールのカウンターは特注品です。
後ろの壁とデザインを統一しています。
カーペットもシックなもので選んでいただいたので、高級感のあるインテリアとなりました。
☆会議室
こちらのテーブルも特注品です。
これだけ大きいものは既製品ではありません。
こちらの色やデザインのディテールも、カウンターと統一しています。
椅子は所長が某量販店で買ってこられたものを、一緒に組み立てました。
ちなみに着工前の写真はこちら
築後そこそこの年数がたっていますが、キッチリとメンテナンスされており、入居前もご覧の通り、きれいな状態でした。
耐震ブレスも入っています。
空調などは、全室一体で計画されていて、これを変更することができなかったので、最初の写真のように、壁の上の方を開放したり、通気用に入口を設けたりと、ちょっと工夫がしてあります。特に最上階ですから、冷房の効きが不安だったのですが、扇風機を利用してなんとか今年の猛暑も乗り切れたようです。
開設されたホームページもご紹介します。
長谷川アネスト法律事務所
http://honestlaw.jp/index.html
写真ももっときれいな画像で見ることができます。
京町家
昨日は京都市などが主催する、景観・まちづくりシンポジウムに参加してきました。
今回のテーマは「明日に活かす京町家」でした。
京都では、市が中心となって京町家の調査を何年にもわたって続けているのだそうで、その実態と今後のビジョンについて意見交換が行われました。
内容は、三部構成になっており、一部で調査内容についての報告、二部では分科会に分かれて意見交換、三部でまとめが行われました。
まず、調査報告を聞いて驚いたのですが、現在京町家と呼ばれるものが、4万7千軒もあるということでした。
しかしよくよく聞いてみると、みなさん(私も)がイメージするいわゆる”京町家”だけではなく、戦前につくられた連棟の借家(長屋)・袋地の借家などを含めています。
確かに、これらの建物も、京都あるいは日本のある時代の生活文化をのこす重要な風景であるかもしれませんが、商家の立派な建物やお茶屋建築などのような建築的・芸術的な価値のある建物と一緒にするのは、いかがなものかと思わせます。
言ってみれば、既存不適格の建物群を、評価しているようで、なんとも変な感じでした。
二部の分科会では、景観をテーマにしたところに参加しました。
調査員が選んだ”ベスト町家”の写真がいくつか並べられ、その中からベストオブベストを選ぶという投票が行われたのですが、ベスト3はいずれもお茶屋建築でした。
しかしこの中でも、路地の風景が多数出てきました。
よくよく考えると、数十年前に建築基準法・都市計画法が制定されましたが、これを順守すれば、日本の風景は一変することに他ならないのです。
京都市内だけでなく、地方の都市でも、狭い路地の風景はいたるところにありますし、防災という名のもとに、これらがコンクリートに取って代わって雑然とした風景になっていることは間違いありません。
法律の縛りだけでなく、住む人の生活習慣も大きく変化していますから、生活文化の象徴である住まいも当然変化してしまいます。かつての京町屋は、商家の店であり住まいでした。そこに生活し、商いをするという合理性がありました。それが今はほとんどなくなっています。
夏涼しい町家といわれますが、現代の街並みの中にある町屋が、どれほど風通しがよいのか、またぶっそうなこのご時世窓を全開にして生活することができるのか、ましてや冬の寒さはどうなのか・・・。
そんな中、この前にもご紹介した、平成の京町家プロジェクトがはじまったのです。
今の時代に合わせた、新しい技術を生かした変化を、京町屋も遂げなければいけません。
さらにそれを、まちの景観として取り戻すためには、法整備の見直しを繰り返しながら、何百年もかかるかもしれません。
新作
2つの玄関が並ぶ正面
玄関庇を兼ねた大きなバルコニー
屋根を棟違いにして、ハイサイドライトをつけた子供部屋
南側は隣の家とくっついてしまうので、西面が一番採光の良い方向となります
LDKに続けてウッドデッキのサービスヤード
その庇を兼ねた持ち出しバルコニー
建ぺい率60%+角地緩和=70%の条件の土地に、69.ウン%の計画をしました。
1・2階で二世帯の住み分けとなるプランですが、実質的には4世帯が居住する可能性も含めた計画ですので、なかなか動線の整理が難しく、おのずとプランのバリエーションも絞られてしまいました。結果としては、プランが早く決まりました。
どうしても個室の数が必要なので、明るく開放的とまではいきませんが、2方向の道路に対して採光がとれるので、敷地を目いっぱい使ってもなんとか採光・通風は確保できます。
特に2階は、大きなバルコニーに面してLDKを設け、十分な採光が確保できました。
シンプルな外観ながら、実は細かな工夫がいろいろあります。
リフォームの住宅エコポイント
住宅エコポイントについて、新築の場合はかなりハードルが高く、審査書類もなかなかのボリュームです。ところが、リフォームの場合は比較にならないほど簡単です。
すべての窓を断熱化することが前提になりますが、それができれば、手摺の設置や段差解消、断熱材の設置など、写真や納品書を添付するだけでポイント申請ができます。
先日リフォームさせていただいたおたくでは、あわせて27万ポイントゲットです。これはお得感が高いです。
逆に言うと、新築の30万ポイントが少なすぎるんじゃないでしょうか。
長期優良住宅の助成金
長期優良住宅の普及促進のための助成金が、本年度も10月末で締め切りとなります。
前にも書きましたが、これを受けるためにはかなりの時間を要しますので、実質上今年度は打ち止めとなります。
先日来手続きを進めていた案件が、ようやく「補助金交付決定」となりました。
はじめのステップである、長期優良住宅の技術的審査の申請を提出したのが7月30日でしたので、まるまる2カ月を要したことになります。具体的には、通常の確認申請と並行して、①技術的審査(3週間)②京都府の認定(3週間)③補助金の申請(1週間)と、3つの手続きを行うことになります。①・②に支払う付加的な手数料(③は無料)等はあわせて7万円くらいですが、それに伴い書類作成(特に①は膨大です)があることは言うまでもありません。
これだけやってエコポイント30万円だったら、やめておいた方がよいというかもしれませんが、今回は100万円いただけるということなので、頑張りました。
通常の確認申請のみの手続きでしたら、2~3週間ですからずいぶん時間がかかることになりますが、これもやむを得ないということになります。
この決定を受けて、いよいよ本格的に着工ということになります。やれやれ・・・