現場情報
ドライミスト設置
宇治市内のカフェの待合スペースに、ドライミストを取り付けました。
こちらのお店は、日中30分以上も並ばないとは入れないようで、炎天下お客様に待っていただくのは気の毒なので、ドライミストをつけたいとのご相談をいただきました。
ドライミストと一口に言っても、ホームセンターに売っているホースをつなぐだけのものから、駅や空港などの公共施設についている本格的なもまで、まさにピンキリです。
何が違うかというと、噴射するノズルの性能、配管の材料(耐久性)、ポンプの性能などですすが、要するにミストの細かさが全然違うそうです。
ご覧のような噴射状況ですが、日中は全く濡れません。体感温度は3℃ほど下がるのだとか。
それでも、夕立が降ったり湿気が多くなると、すぐに気化しないので、少し濡れてしまいます。
畜舎などに使われる安価な輸入品もありますが、30分もミストを浴びるとなると、よほど細かい霧になってもらわないと困るので、高品質の物を採用しました。
シラスそとん壁を高圧洗浄してみた
当社でよく採用している、シラスそとん壁。
火山灰石ラスを骨材に用いたモルタルで、シラスのアルカリによってセメントの劣化を遅らせることができるので、耐久性が高い。また、色も天然の顔料を練り混ぜているので、経年による褪色がほとんどないという。
メーカー曰く、25年間メンテナンス不要。では25年たったらどうするの?と尋ねてみたら、高圧洗浄してくださいとのお答え。
この材料、9年前に自宅を新築した際に、初めて使用しました。
外壁は全面シラスそとん壁にしましたが、9年たった今も、新築時の姿そのままで、大満足です。
樹脂系の塗装は、風によって静電気が起こり、汚れが付着しやすくなりますが、シラスはそれがありません。外壁に取り付けられた照明器具や樋などはひどく汚れているにもかかわらず、壁は目立った汚れがありません。
けれども、塀など、天端まで塗回しで使ったところは上から降ってくるホコリが雨で流れて目詰まりし、結構汚れていました。
私の感覚では、自然の石が汚れていくように見えて、あまり違和感を感じていなかったのですが、普段掃除をしている妻が、とても気になるというので、洗ってみることにしました。
といっても、ホームセンターに売っているような生易しい洗浄機でちまちまやるほどマメではないので、塗装屋さんが持っている高圧洗浄機で洗ってもらうことにしました。塗装屋さんは、普段、塗装の塗替えをするときに、高圧洗浄機で古い塗膜をはがして洗浄します。それほどの高圧ですから、誤って指先にあたったら指がちょん切れるほどなのだそうです。
シラス壁を洗うとき、それほどの高圧で洗ってもよいのかどうかわからないのですが、まあものは試しということで、やってもらいました。
こういう汚れ落としで難しいのは、中途半端にやると、汚れがムラになって余計に見苦しくなってしまう可能性があることです。
そうしないためには、徹底的に洗うしかありません。つまり、高圧でとことんやってもらったわけです。
その結果、ご覧のとおり。
すっかり新品のようにきれいになりました。
でもやっぱりやりすぎたのか、ところどころポロリポロリと欠け落ちたところもあります。
やっぱりあまり洗うのは良くないかなというのが感想です。
もう一回洗ったら塗直が必要かもしれません。
構造現場見学会、開催します。見えない部分へのこだわりがわかります!
構造現場見学を受け付けています。場所は綴喜郡井手町。
現在の状況は、筋違などの構造軸組が完成し、中間検査を終えたところ。外張りの断熱材を張って防水・気密処理も完了しました。これで、建物の基本性能部分はできあがり。
このあと、内外の下地と同時に計画換気システムの工事も進めます。
☆当社のこだわり☆
こちらの現場は長期優良住宅の認定を受けていますので、耐震等級は2です。一般的な工法では、外壁に構造用合板を使用し、構造耐力を高めていますが、当社はなるべく合板に頼らないことにしています。
構造用合板というのは、薄く削り取った木材などを接着剤で貼り合わせたものです。実験によると、高い性能を出していますが、20年も30年も経ったときにどれだけの力を発揮できるかという検証は、十分ではありません。
リフォームの現場で、10年あまりでボロボロになっている”耐水合板”を目にしているだけに、そんなものに構造上主要な部分を担わせるわけにはいかないというのが、私の考えです。
かたくなに、「合板は一切使わない」というほど頑固ではありませんが、少なくとも屋根や外壁など、夏の高温・冬の低温にされされ、結露に影響も受ける部分に用いるときは、それなりの配慮をしています。
見学は随時受け付けていますが、必ず事前にご予約をお願いします。
私がご案内しますので、早めのご予約をいただけると助かります。
ご予約はこちら
breeze@soyokazenoie.com
ウッドデッキの修理
尖山ショールームとして皆さんにご覧いただいている私の自宅は、築後9年目に入りました。
しっかりと作ってあるとはいえ、自然素材をそのまま使うこともあり、そろそろメンテナンスを要するところもでてきました。
今年に入って2カ所修理をしました。
1つは階段の周り段板、もう1つはウッドで木の板です。
階段の周り段板は、幅が90cmほどにもなるので、3枚の板をはぎ合わせて(横方向に繋ぐこと)作っていましたが、端っこの細くなった部分にビス止めをした箇所があり、早い段階で割れが生じていました。上り下りするときに力がかかるところではないので、そのまま放っておいたのですが、4月の末頃になって、剥がれ落ちそうなくらいになってしまったので、修理をしました。
大工さんに来てもらって、割れの原因となっているビスをほどき、割れた個所に接着剤を入れ繋ぎ合わせ、止め直しました。
所用時間は15分くらいでしょうか。何事もなかったように直りました。
せっかく大工さんに来てもらったので、ついでにウッドデッキの板を1枚取り替えてもらいました。
一枚だけ白くなりました。横に立てかけてあるのが外した材です。
どうしてこの一枚だけが傷んだかというと、”くされ”といわれる症状になったためです。
木には節があったり皮が入り込んだりする部分が生じますが、くされというのは、何らかのダメージを受け、腐朽菌の影響を受けてしまった部分を言います。
製材して加工する段階で、選別しますが、表面に現れてこないと見逃してしまうことがあります。
うちの場合、ウッドデッキやウッドバルコニーなどをあわせると、70㎡分くらいありますが、そのうち家の裏側の比較的日当たりの悪い箇所の1枚が、交換を要したということになります。
他にも少し痛んでいる箇所はありますが、そのうちにまとめて修理しようと思います。
そよかぜの家では、ウッドデッキやウッドバルコニーをよく作りますが、すぐに傷んでしまうんじゃないかと心配される方もおられます。もちろん、自然の木をそのまま使いますから、今回のように欠点が現れることもありますが、南洋材や防腐剤注入材を用いても同じことです。傷んだところを早めに修理することで、健全な箇所への防いでいれば、ずいぶんと長持ちさせることができます。
また、こういう小修繕の機会に、お客様と職人さんたちがコミュニケーションをとることは、家をずーっと守っていくうえで大切なことだと思います。
土蔵の修理
築40年ほどの土蔵の屋根が落ちたとの連絡があり、かけつけました。
銅製の樋が腐食して、アンコ―と呼ぶ軒樋から縦樋につながる部分に大きな穴が開き、そこから雨がダダ漏れになっていました。ずいぶん前から漏れていたらしく、壁に伝った雨が庇の中に浸透し、屋根の下地を腐らせて、瓦が落ちてしまいました。
つまり、樋の水漏れが原因で、屋根・壁が大きなダメージを受けてしまったのです。
昔の人は、「アカ(銅のこと)の樋は100年持つ」と言われたほど丈夫だったのに、酸性雨の影響なのか、腐食が目立ちます。
早めに気づいて樋を直しておけば、こんな大事にはならなかったのにとも思いますが、こちらも大きなお家におばあさんが一人で暮らしておられ、母屋・離れ・蔵・小屋・・・・いっぱいあるので、とても目が行き届きませんよね。
「ついでに悪そうなところは見といてや」と頼まれ、屋根の面戸のしっくいなど直させてもらいました。もちろん樋は、他の部分も点検修理しました。
古民家修理 石の敷居に・・・
ちょっとわかりにくいですが、古民家の石の敷居に取り付けてある真鍮レールの入れ替えをしています。
新しく設置する場合は、石にカッターで細い切込みを入れて、そこに足の付いたレールを差し込むような恰好で取り付けをしますが、カッター切りの際にどうしてもほこりが出るので、昔式のやり方でやりました。
石にドリルで穴をあけ、穴に木の栓を打ち込み、そこにレールを釘止めします。
取り替えたレールは何十年も前のもので、木栓ではなく鉛を流し込んでありました。今回は桧の栓を打ち込みました。
建具の戸車と下框を修理してはめなおすと、新品のようにスムーズになって、大変喜んでいただきました。
最後は、古色塗りして周りとなじませてできあがりです。
長期優良住宅、現場公開中です
木のいえ整備促進事業の助成金を受ける予定の現場です。
長期優良住宅の普及促進のため、構造見学会を行うことが義務付けられています。
きのうから京田辺市と城陽市の2つの現場を公開しています。関心のある方はご連絡ください。
長期優良住宅では、耐震等級2が求められますが、さまざまな構造用パネルを外壁下地に用い、耐震性を高めることが一般的です。これらの構造用面材は、実験データに基づき、壁倍率が3倍にも4倍にも評価されていますが、はたして大丈夫なのか私は疑問に感じています。というのも、外壁下地は多くの場合断熱材の外側にあり、外気にさらされていることがほとんどで、10年・20年とたった時に、新築時と同じ強度を保っているとは思えないからです。リフォームの現場で、サイディングをめくってみると下地の構造用合板がボロボロになっているのを見たことがあります。所詮は接着剤の塊である新建材に、主要な構造部分をゆだねるのはあまりにもハイリスクだと考えているのです。耐震等級3の評価がついた家でも、本当に長期的にその強度が維持できるのか、検証はできていないのではないでしょうか。
当社では、外張り断熱工法を採用しているので、そもそも外壁に構造用面材を張ろうとすると、いろいろ不都合があるのですが、それを差し置いても、上記のような理由で、無垢材の筋違で耐震強度を確保しています。現場をご覧いただくと、ものすごい数の筋違が入っていますので、その違いがよくわかると思います。
私自身、今の新築現場を見るにつけ、数年前まで建てていた家との違いに驚かされます。CADの性能も上がり、いろいろな面から構造強度を検証し、建物のバランスを検討することができるようになり、木造の家は進化し続けているのです。
公開中の現場は、外張り断熱パネルもむき出しの状態で、断熱・気密工事の状態が見れますので、そちらもご覧ください。
ご予約お問い合わせはメールで
breeze@soyokazenoie.com
石の滑り止め
ある店舗の社長から、入り口の石張りスロープのボーダー部分が御影石の磨き仕上げになっているので、雨の日に滑ることがあるとのご相談を受けました。
御影石は、ジェットバーナー仕上げと言って、バーナーで焼くと表面がざらざらになるのですが、木造の建物の軒下でこれをするのは危険です。石職人さんと相談したところ、サンドブラスト仕上げをしようということになりました。
サンドブラストは、細かな砂粒を勢いよく吹き付けることで、石の表面を削り取る手法で、石やガラスなどに文字を書いたり模様をつけたりするのに使います。ただ、これも現場の土間に施工したことはないとのことで、初めての挑戦でした。
写真で上の方の少し色が薄い部分が磨き仕上げのところで、その下にガムテープでマスキングをしています。
サンドブラスト処理をしているところ。箱の中で、細い筒先上のもので砂を吹き付けています。
仕上げりがこれ。横のジェットバーナーと比べても、滑り止め効果は変わらないくらいにできました。
これで雨が降っても安心ですね。
太陽光発電いいね。
今日は午後から半年点検に伺いました。
ひと夏を過ごしての感想などもお聞きすることができました。
今年の夏は昨年ほどの暑さはありませんでしたが、想定していた通り、壁掛けのエアコン一台を連続運転しているだけで、家全体を27~8℃をキープでき、快適に過ごしていただけたたようです。
こちらのお客様は、2.8kw程の太陽光発電システムを載せていますが、驚いたことに、これだけの発電量でほとんど電気代を払わなかったといいます。2月3月の暖房シーズンは数千円払われたようですが、その後半年間はもらいっぱなしだったそうです。
文字通り光熱費ゼロが実現したということになります。
鎮め物
地鎮祭をとり行うことも少なくなっていますが、京都でいえば城南宮など、工事の安全祈願で有名なところでお祓いをしてもらうと、お札と一緒に”鎮め物”というものをいただきます。
地鎮祭の儀式の際には、盛砂の中に埋めるのですが、式後掘り出しておいて、基礎工事のときに、建物の中心に納めます。
地鎮祭で納められたところ、この後、工事業者が鋤で埋め戻す。
基礎砕石の間に埋め込んだところ。
家がある限り、家の中心で家族を守ってくれます。
余談ですが、2枚目の写真は、基礎砕石の上に防湿シートを敷いている状態です。ご覧の通り、シートの裏側は結露でベッチョリ濡れています。一晩でこれだけの水蒸気が地面から出てきているのです。
最近ではベタ基礎を採用することがほとんどになりましたが、従来の布基礎の場合、床下はこの湿気を常に受け止めていることになります。床下換気口からの通気で乾燥するように配慮されていますが、床下を開けたときにカビ臭いようなら、湿気ている証拠です。昔のように畳をあげて大掃除をしているなら大丈夫ですが、全面フローリング張りだとちょっと危険です。
ちなみに、床下が特に湿気るのは夏場です。夏場に床下換気口から入ってくる空気は、地表付近の湿気をたっぷり含んだ空気ですから、ひんやりした床下に入ると、湿度100%になってもおかしくありませんね。結露が起こり、カビが生え、シロアリにとっては住みよい環境となってしまいます。
夏は床下から涼しい空気をとりいれて・・・という工法もありますが、温度が多少低くても、水蒸気をたくさん含んでいるということは熱を含んでいるのと同じことですから、よーく考えないといけませんよ。
健康住宅そよかぜの家では、基礎断熱工法をとっていますので、床下も室内とほぼ同じ環境に保つことができます。薬剤による防蟻処理も必要ありませんので、安心して暮らせ、しかも長持ちです。